世界経済の視界不良継続!波乱含みの展開継続?
予想レンジ
ドル円 105.50〜107.00
ユーロ円 115.50〜117.30
ユーロドル 1.0900〜1.1050
豪ドル円 78.50〜80.00
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中国で行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、主に経済成長を高めるためにすべての政策手段を活用することを共同声明で採択して閉幕したにとどまり、市場の影響は限定的になっている。また、共同声明は世界経済の回復は続いているが、引き続き英国のEU離脱決定が世界経済の不確実性を増幅させていると指摘した他、通貨の競争的な切り下げを回避する方向で合意している。そして、G20は英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択後の影響について、対応可能との楽観的な見方を示しているが、概ね玉虫色の会合と言わざるを得ず、市場は引き続き神経質な展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は政府日銀の大規模な経済対策への期待は根強い中、NYダウ平均株価は小幅ながらも前日比53ドル高と反発、引き続き史上最高値水準で推移しており、株高基調や日米金利差拡大を背景に底堅い展開が予想される。ただ、市場は常にリスク回避懸念を踏まえて、更なる上昇局面では実需や利益確定売りが待ち構えるなど、上値トライには慎重になっている。当面、ドル円105.50〜107.00円のレンジ幅を重視し、相場の動意づいてから始動が賢明であろう。
他方、ユーロドルは英EU離脱交渉に向けて、メイ英首相が独仏に対して、説得行動を余儀なくされているが、ポンドの利下げ観測も浮上しているように、常にEU離脱問題と欧州金融機関の不良債権懸念が先行しており、積極的に買い戻す雰囲気は削がれている。ただ、1.1000割れの段階では割安感や利益確定買いが随所に散見されており、当面、レンジ幅を1.0900〜1.1050まで拡大し、同レベル前後からのナンピン売買が一考であろう。