ポンド主導で視界不良!梅雨明けまで静観?
予想レンジ
ドル円 100.50〜103.50
ユーロ円 111.50〜114.50
ユーロドル 1.0950〜1.1250
豪ドル円 74.50〜77.50
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英国のEU離脱の決定を受けて、日米欧の主要国は緊急対策を迫られている。英国がEUに離脱を宣言後には2年間という猶予期間があるが、英国はEUおよび域外の国と関税や規制など多くの問題に対し、新たな枠組を決めることになるが、オランダやスペイン、そして、独仏内部からもEUの構造的改革も求められるなど、EU本体を揺るがす恐れもあり、実際のEU離脱は長期化する見通しである。欧州経済のみならず、世界経済への影響も計り知れない中、NYダウ株価は611ドル安と急落しており、世界同時株安を背景にFOMCの7月米利上げ観測は急速に冷え込んでいる。
一方、ドル円は英国EU離脱を受けて、投機筋のポジション解消売りに拍車が掛かると同時に、一時100円割れになったことを受けて、一部では政府日銀の円売り介入への警戒感、そして、ヘッジファンドなどの買い戻しもあり、一旦はドル円102円台まで切り返してはいるが、依然として、損失確定売りがマーケットを席巻しており、戻りは限定的になっている。いずれにしても、ポンドの浮き沈みが相場のかく乱要因になっている以上、同相場が落ち着きを取り戻すまでは控えめなポジションで対応することが一考であるが、当面、レンジ幅を100.00〜104.00円前後まで拡大し、相場の動意を待ってからの始動が賢明であろう。
他方、ユーロドルは予想外の英EU離脱を受けて、上値の重い展開を強いられている。ただ、ポンドの大幅な急落にもかかわらず、ポンド売りユーロ買いも随所に散見されるなど、過度なユーロ安期待は自重局面にある。ただ、EU内部では緊急対策が水面下で行われている模様であるが、EUの温度差が更に拡大しており、当面、戻り売りを優先しながら、ユーロドル1.1000前後では一旦清算局面と見なした方が賢明であろう。