視界不良!乱高下必至?
予想レンジ
ドル円 105.50〜108.00
ユーロ円 120.00〜121.80
ユーロドル 1.1250〜1.1430
豪ドル円 77.50〜79.50
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注目された5月米雇用統計は一連の米要人の強気発言に反し、想定外の結果に終わっている。特に非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想の+16万人増にも関わらず、+3.8万人増にとどまったことが嫌気される中、ドルは全面安の展開を迫られるなど、マーケットを震撼させている。反面、失業率は4.7%まで低下するなど、依然として、完全雇用の段階にあり、今回の米雇用統計の数値のみで米利上げ観測が大幅に後退した判断するのは時期尚早ではあるが、今回の雇用統計発表を受け、6月利上げの確率は4%と前日の21%から大幅に低下、そして、7月利上げの確率も34%と前日の58%から低下するなど様変わりの様相を呈している。ただ、NYダウは31ドル安と小幅にとどまり、ドルは売られ過ぎとの見方も少なくなく、当面、ドルの反動買いには慎重に対処することが一考であろう。
一方、ドル円は、109円前後から一気に106円台へと円高が加速し、次な大きな節目であるドル円105円割れも意識せざるを得ない状況にある。ただ、日本サイドが消費増税延期を決定し、デフレ脱却に向けて更にアベノミクスを加速させざるを得ない外部環境にあり、何らかの円高対策や株価維持が求められるだけに、拙速的な円買いには違和感が生じている。とは言え、当面、損失確定売りなどを背景に、投機筋の見切り売りが優勢なだけに、戻りも限定的と言わざるを得ない。当面、レンジ幅をドル円105.50〜108.00円まで拡大し、相場の動意を待って始動することが賢明であろう。
他方、ユーロドルは英国のEU離脱問題を含めて、難題が山積する中、ドル全面安を背景に、1.13台半ば前後まで急反発している。ドル円と同様に損切りを交えながら買い戻しが優勢になって入るが、不安定極まりない上昇局面であり、過度なユーロドル高期待は自重し、もう一段の上昇局面では戻り売りに専念することが得策であろう。