円独歩高の終焉迫る!?
予想レンジ
ドル円 107.50〜109.00
ユーロ円 122.00〜124.00
ユーロドル 1.1300〜1.1450
豪ドル円 80.80〜82.50
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米利上げ観測が後退したことを受けて、ドル売りの流れはやや一服しているが、日銀がマイナス金利を導入したにも関わらず、年初来10%以上も円高が進行、同時に株安も進行するなど日本経済全般に危機感が深まりつつある。世界的には株価は過剰流動性資金を背景に上昇基調を強めており、想定以上円高の影響により、日経平均株価は下げ幅を拡大している野が現状であろう。その中、菅義偉官房長官は外国為替市場で一時1ドル107円台の円高水準を付けたことに関し、偏った動きには日本として対策をやる用意があると述べ、また、2017年4月の消費税率10%への引き上げを前提に、増税を前に必要な環境整備を急ぐ考えを示している。反面、安倍首相は為替介入に慎重な姿勢を示していることから、市場は安易にどちらにも仕掛けづらい状況に直面している。
一方、ドル円は、政府日銀が打ち出す様々な打開策が腰折れ状態にあり、今後もアベノミクス効果は期待薄との見方が支配的になっている。一部ではドル円100円割れまであるとの少数意見も出始めている。ただ、米当局は常に強いドルを意識しているが、ダドリーNY連銀総裁が利上げは慎重で段階的なアプローチが必要とした上、ドル高問題は過去数週間で弱まっている旨を述べ、また、日本と欧州の景気刺激策を支持すべきと協調姿勢見せるなど、現時点では加速的に円高(ドル円105円)が進行すれば、日銀の市場介入の余地は残されていると見なした方が無難であり、これからの急ピッチな円高局面は想定しづらいだろう。
他方、ユーロドルは特段の材料も無い中、底堅さを取り戻しているが、先のECB議事要旨では、必要な場合には追加利下げも排除しない考えを示唆しており、積極的に上値を追う展開には至っておらず、安易にユーロドル1.1500台を試すほどの相場環境ではないだろう。引き続き直近のレンジは1.1300〜1.1450で売買を模索することが一考であろう。