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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

本格的なこう着相場へ突入!

▼先週はドル円120円に届かず、ユーロ円も150円手前で失速気味と、相変わらず節目の重さを感じさせる相場である。変動要因の内訳としては、北朝鮮の核問題も含めて、ロシア中銀の外貨準備比率の変更、日銀のキャリートレード調査などと為替変動要因としては充分であったにもかかわらず、100ベーシスポイント内の攻防であり、依然として方向感が定まらないレンジ相場である。
▼今週は週なかばのFOMC政策金利の発表を控えて、再び金利動向に視線が注がれる市場ではあるが、先週は英ポンドの利上げの噂が先行し、ポンドの急上昇にも繋がったが、米金利動向はすでに賞味期限切れでもあり、すでに、前回並の声明文が見込まれており、金利据え置きを前提としたFOMC政策金利発表でもあり、新鮮味のある声明文は期待できないと見るのが順当であろう。サプライズ期待もなく、相場の起爆剤にはなりそうにない。原油価格と株価の動向を横目にしながら、米ドル上昇も下降も限定的なマーケットになると思われる。むしろ、米経済の減速を拡大させた住宅関連の経済指標と景況感を見極める第3四半期米GDPを注視することになるだろう。
▼原油価格の続落により、米経済もインフレ懸念が後退し、先行指数でもある好調な株式事情を背景にして、米景況感にも好調な兆しもあり、そして、早くも来年以降の利下げの可能性も半減している状況下では、米ドルの底値も堅調と見るのが妥当であろう。一方では、来月に控える米中間選挙の接近に沿って、ドル円120円前後の円安批判、そして、ユーロ圏からも150円に対する潜在的な円安批判もあるため、総合的な判断ともなれば、円安にはブレーキがかかりやすい局面である事は否めない。いずれにしても、人民元の切り上げ問題にはっきりとした糸口が見えない限りは、現状のレンジ相場が継続する可能性は高い。円安材料と円買い材料探しの場ではあるが、こじつけた為替論理もファンダメンタル分析のみならず、テクニカル分析にも見られるだけに、リスク限定売買には少なめのポジションでしか対抗できないとも言える。
▼先週のシカゴIMM先物通貨(投機筋)の円ショートも多少の減少傾向は見られているが、10万枚を越えている以上は、先週同様に円売ショートに対する警戒感には変化が見られない。何時起きるかもわからない円ショートの手仕舞い局面から、当面の円ショートは慎むしかなく、次の展開待ちでもあり、120円台に乗せてからの始動に心掛けるのも一案である。それゆえに、ストップロスの買いを120円台には丁寧に置きながら、120円前後の円買いに集中する戦術をイメージすることを勧める。同時にユーロロングも減少し、スイスフランのショートが急増、そしてカナダドルまでショートに転じているため、米ドルロング志向が強い相場ではあるが、それだけ急落リスクに転じている光景とも言えるだろう。繰り返しになるが、少なめのトレードに徹することが賢明な相場である。

******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年10月22(日) 週末の終値ベース 事前予想実施中
チャート上では珍しく、ポンド以外の通貨にはポジション解消の動きが顕著に発生しており、模様眺めの水準に達している。先週過大評価された米ドルも落着きを見せており、次の展開待ちの様相を呈している。
新外為の森HP内US$チャート(ユーロドル/ドル円)No.7。米ドルの強弱を参照。

ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1314→0.1250)
乖離幅試算=ユーロドル1.2610⇔ユーロ円149.7(0.7930-0.6680=0.1250)
先週の強い売りシグナル119.65円から通常の売りシグナル118.72円レベルが点灯してい
る。乖離幅からはユーロドルの上昇1.2510→1.2610を見せたが、ユーロ円が先週と同一
149.70前後を推移しており、乖離幅の縮小になったが、売りシグナルは点灯中。
過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い様子見)→0.1103(116.30様子見)→0.1153(117.25売り)→0.1138(117.10売り継続)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55弱め売り一部買戻し)→0.1143(118.15売り)→0.1268(119円売り)→0.1314(119.65売り)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅28円 現状乖離幅30.05→31.00円)
先週は1.2511で買戻しによるポジション買い局面であったが、再び乖離幅拡大ではあるが、
強い売りシグナルは出ておらず、1.2612で様子見継続中。
過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2875売り→1.2824売り→1.2755売り弱め→1.2835売り←1.2672売り弱め→1.2784売り→1.2675売り→1.2600売り(一部買戻し)→1.2511買い

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅29.80→28.65円)
先週は0.7509の売りでポジション解消後、様子見に突入していたが、今週は弱い売りシグナルが0.7586で点灯しているが、不充分な乖離幅と見ても引き続き様子見継続。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売りclose→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り継続→0.7665売り→0.7537買いclose→0.7503様子見→0.7460弱い買い→0.7420弱い買い→0.7509売り

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅41.00→39.40円)
先週の買い0.6573から売りシグナル0.6680が点灯のしており、ポジション解消。同レベ
ルで様子見に突入している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い→0.6422売り→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6337買い→0.6395買い→0.6371買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6628買い継続→0.6615売りclose様子見→0.6530買い弱め→0.6584買い→0.6573買い

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅14.50→13.30円)
先週は弱めの売りシグナル1.1379であったが、早くもポジション解消売り1.1262が点灯、様子見に突入している。
週間ごとの売買シグナルは下記の通り
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclose→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248買い→1.1088買い→1.1048買い→1.1207買い→1.1298売り→1.1195買い→1.1174買い継続1.1178買い→1.1258売りCLOSED→1.1379売り弱め

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅20円 現状乖離幅17.30←13.90円)
ドル円118.70x2=237.40−ポンド円223.50=13.90円
乖離幅の縮小が顕著であり、先週の弱め売りシグナル1.8554継続(一部買戻し)から、一気に強めの売りシグナル1.8829が点灯している。
乖離幅30円前後から10円まで縮小しており、10円を割ってくると強い売りシグナルが点灯する。最近の乖離幅の経緯は13円→16→13→17→21→17→10→13→15円→17円→14円→17円と乱高下している。乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250、15円→1.8600、10円→1.9000レベル。

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅25.65→24.45円)
先週は久方ぶりに売りシグナル1.2728が点灯したが、早くも買いシグナル1.2594が点灯
し、同レベルで様子見に突入している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い→1.2307買い→1.2475買い継続→1.2552売りclose→1.2366買い→1.2509買い弱め→1.2606売りポジションClosed→1.2728売り

豪ドル円/NZドル円裁定取引平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅11.20←10.75円)
先々週9.95円でポジション解消に到達し、現状では大きな乖離は見られず、今週も様子見
段階であり、乖離幅の動きに注視。当面は8.50と12.50が開始目安とする。
過去の週間ごとの経緯は次の通り。
9.30円→10.80→11.80→13.95→13.05→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05→15.40→13.90→14.05→13.60→10.55→10.35→11.00→9.95ポジション解消→11.20様子見

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&265円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.446月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円
円安基調が顕著に見られる。先週は119.65+149.70=269.35円と過去最高を更新し、ユーロ円270円近辺まで接近し、今週は118.70+149.70=268.40と調整段階であるが、未だに円の過小評価が見られる、円高への備えが必要。

● 欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離68円 現状乖離幅72.30→73.80円』
先週の0.6743から大きな変化は見られないが、チャート上ではユーロ売り/ポンド買いが主流であったが、ポンド上昇により、基本は様子見レベルであるが、0.6689の弱い買いシグナルが発生している。少な目の買いに妙味が生じている。
過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6922売り→0.6748買い→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6730様子見→0.6768様子見→0.6735様子見→0.6743様子見継続

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.70→55.45円』
先週の強い売りシグナル1.925に引き続き、今週も1.5883の売りシグナルが点灯中。過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5702売り→1.5726売り→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続→1.5905売り→1.5855売り継続→1.5884売り継続中→1.5925売り

ポンドスイス『平均乖離28円 現状乖離34.00→35.00円』
先週の売りシグナル2.3617に続き、今週は強めの売りシグナル2.3713が点灯。過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い様子見→2.3388売り様子見→2.3447様子見→2.3264様子見→2.3615売り→2.3490売り継続→2.3425売り継続→2.3585売り継続→2.3617売り継続。

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新外為の森 参照http://kentish.fc2web.com
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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