日銀マイナス金利導入でマーケットは混とん!?
日銀がマイナス金利導入に踏み切ったことから相場は一変の様相を見せている。デフレ脱却を確実視させるためにも、政府日銀はアベノミクスを成功裏に終わらせる意味合い、そして、円安維持と株高効果を高める必要があるのだろうが、今回の黒田ショックにより、増々残されたカードはほぼ消滅状態にあり、今後の金融政策に支障を及ぼす可能性があり、素直に手放しでは喜べない状況にあるとも考えられる。マイナス金利導入は先にユーロ圏でも実施され、それなりの効果が出始めてはいるが、日欧のマイナス金利導入により、消去法的にドル買いニーズを強める可能性がある反面、米当局としても、先週末発表された米10〜12月期GDPは前期比年率で+0.7%と前回か大幅に減速しており、先のFOMCの声明で世界経済への警戒感を示している。過度なドル高が米経済の圧迫要因と捉えられており、FRBの3月の利上げ観測も後退気味になっている。今後もドルがいっぽうてきに上昇するかどうかは懐疑的であると見なした方が一考であろう。
一方、ドル円はマイナス金利導入により118円台から121円台へと急上昇、そして、日経平均株価も行き場を失った流動性資金が株式市場に流入しており、株価の大幅反発を促している。相対的には、一時ほどのリスク回避の動きは大幅に後退しており、株高並びに円安期待が高まる可能性があり、現時点では拙速的に下値を探る相場環境ではない。ただ、中国経済の減速懸念は根強い中、原油価格の上昇が一過性に終わる可能性、そして、ストップロスを大量に巻き込んだ展開なだけに、市場が落ち着きを取り戻せば、相場自体が反転する時期も遠くはないだろう。当面、もう一段の上昇を見てから逆張り志向で臨むことが得策であろう。
他方、ユーロドルは再び節目である1.08割れが意識されているが、日銀のマイナス金利導入が加わったことで、ほぼ蚊帳の外状態にある。引き続き戻り売り優勢の展開であるが、レンジ幅を1.0750〜1.0900まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買で待機することが賢明であろう。