リスク回避主導の展開!ドル円115円も視野?
予想レンジ
ドル円 116.30〜117.80
ユーロ円 127.00〜128.50
ユーロドル 1.0830〜1.0980
豪ドル円 79.50〜81.00
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中国経済の減速懸念を背景に、原油価格が30ドル割れになる中、NYダウ平均株価は一時500ドル超下落、終値でも16,000ドル割れとなるなど、投資家心理が更に冷え込んでいる。米債券10年債利回りも一時2%割れになるなど、リスク回避の動きの根強さが改めて意識されており、円全面高の様相を呈している。先に発表された一連の米経済指標が弱い内容となったこともあり、米地区連銀総裁による複数の発言にも拙速的な利上げには慎重論も台頭するなど、市場はドルロングの解消と共にドルの調整売りが強まっている。
一方、ドル円はNYダウ平均株価が前日比390ドル安となり、節目である16,000ドル割れとなり、そして、S&P500やナスダック指数も共に大幅低下するなど、市場は警戒感を更に強めている。その中、日米金利差縮小を踏まえた円買いに弾みがつく格好でドル円は一時116円台半ば近辺まで下落する場面があるなど、戻りの鈍さが意識されている。今後も、歯止めがかからない世界同時株安や原油安への懸念が深まれば、次なる節目であるドル円115円前後も想定せざるを得ない外部環境にあると言わざるを得ないだろう。ただ、FRBによる金利正常化に向けての姿勢は根強く、米金利の低下が限定的であり、過度な円高期待は自重局面に差し掛かっている。いずれにしても、リスクオフの動きに振り回されている段階なだけに、相場が冷静さを取り戻すまでは少なめの売買で対応することが一考であろう。
他方、ユーロドルはドルの調整売りを背景に底堅い展開を見せているが、ECBによる追加緩和策への期待が根強い中、先に発表されたECB理事会の議事録では資産購入プログラムの規模拡大や、インフレが下振れるようであれば、マイナス金利を更に拡大する用意があることも指摘されており、ユーロショートの巻き戻しも一巡、ユーロドル1.10台を回復するほどの勢いではなく、引き続きユーロの戻り売り圧力が強まっている。当面、1.09台半ば以上からのロングは自重局面と見なした方が無難であろう。