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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

原油価格30ドル割れで相場の転換期近し!?

予想レンジ
ドル円     117.00〜118.50
ユーロ円    127.00〜128.80
ユーロドル   1.0800〜1.0950
豪ドル円    81.50〜83.30

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先週末発表された米雇用統計は失業率が5.0%と据え置かれる中、非農業部門雇用者数が29.2万人増と予想(20万人増)を大きく上回り、今後の米利上げ期待を裏付ける内容であり、市場は一時的にドル買いに反応したが、依然として、中国経済や中東情勢に揺さぶられる格好でリスク回避の動きが優勢になっている。その中、米債券利回りが軒並み低下すると共に、NYダウ平均株価は下落の一途と世界同時株安が続くなど、相対的にドルロングを解消する動きが優勢になっている。昨日のNYダウは52ドル高と小幅反発しているものの、原油価格が一時31ドル割れになるなど、30ドル割れが時間の問題になりつつある。

一方、ドル円相場は安全資産の円買いを踏まえて、ストップロス主導の展開を見せ始めており、一時ドル円117円割れへと警戒感を強めている。レベル的には昨年8月の中国ショック時まで下落基調を強めるなど戻りの鈍さに繋がっている。ただ、相対的な過熱感、割安感、そして、利益確定買いが旺盛になる可能性が高く、短期筋としても、ドル円117円割れから下値トライには慎重にならざるを得ない外部環境にあり、同レベルからのショートは自重局面と見なし方が賢明であろう。

他方、ユーロドルはECBの追加緩和拡大への期待感は依然として根強い中、ユーロショートの巻き戻しも一巡しており、ユーロドル1.10台回復は遠のいている。そして、先の強い米雇用統計において、市場は3月利上げの可能性を高める中、米欧の金利格差拡大が払しょくできておらず、再び戻り売りに圧されるなど、上値の重さが再び意識されている。ただ、1.08前後では随時ユーロ巻き戻し現象が繰り返し発生しており、また、ユーロ円が中国経済の減速懸念を背景にリスク回避の円買いから既に10円程度下落していることもあり、チャート分析の面からは拙速的なユーロ円売りに違和感が生じており、当面、ユーロドル1.0800〜1.1000のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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