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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

原油安で不安定要因増幅中!FOMC利上げでドルの反動買い<反動売り優勢?

原油は1バレル35ドル台へ突入するなど、原油価格の下値の目処が読み切れない中、時期尚早とは言え、1バレル30ドル割れも意識され易い相場環境に直面している。先週末発表された米小売売上高統計や米ミシガン大消費者信頼感指数は良好な内容となり、米経済の堅調さを表しているが、原油価格の急落を受けて、相対的なリスク回避の動きが早まると共に、NYダウ平均株価は前日比309ドル安と下落基調を強めるなど、相場全般に不信感が漂っている。

一方、安全資産でもある円買い圧力も高まり、ドル円は120円台に突入するなど、明日から開始されるFOMCを前にして、ドルロングを手仕舞う動きが優勢になっている。FOMCではゼロ金解除に向けて、利上げはほぼ確実視されているが、世界経済の不透明感を踏まえて、米利上げ後の引き上げペースがかなり緩やかになるとの憶測が広がっており、利上げ後はドルの反動買い以上に反動売りに警戒感を強めている野が現状であろう。原油安が更に進行すれば、市場の原理原則としては、ドル円120円割れも意識せざるを得ない状況にあり、当面は戻り売りに専念することが一考であろう。

他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料はない中、現状ではドルの調整売りやユーロショートの巻き戻しなどで底堅い展開を見せているが、依然として、ユーロドル1.10台が重石になっており、同レベルからのロングは自重局面にある。ただ、FOMC後の動向や原油価格の変動が読み切れない以上、ある程度波乱含みの展開は想定せざるを得ず、当面はユーロドル1.0850〜1.1050までレンジ幅を拡大し、相場の動意を待ってからの始動が賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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