円安相場のエピローグ?
先週は北朝鮮の核実験から始まり、有事の米ドル買いと言い難いが、依然として根強い米ドルロング志向が目立った週でもある。その上、米経済の軟着陸期待も加わり、来年以降の利下げ論争にも一服感が生じている。同時に長期金利の上昇も加わり、再びインフレ懸念もあり、相場の見方は慌ただしく変貌している。
総体的には、利上げ打ち止め効果が株式市場にも反映しており、企業業績から判断しても米経済の牽引役となっている以上は、当面は米ドルの下値が堅調に推移すると見るのが妥当であろう。しかし、レベル的には米ドル高にも限界が見え隠れしているのも事実であり、米ドルロングを続行するリスクが着実に増幅していることも否めない。
▼先週は節目であるユーロドル1.25割れを実現しながらも、ドル円はさすがに120円台までは到達しなかったが、今週も再びドル円120円台が焦点になる事は間違いないだろう。
反面、円安批判の高まりは無視できず、特にユーロ円が昨年度比ではすでに10%以上の円安(136円⇒150円)に達しており、ユーロ円のこう着が他のクロス円にも波及する恐れもあり、円安にブレーキがかかり易い状況である。
今週は月曜日早々からバーナンキFRB議長とトリシェECB総裁の講演が予定されており、米経済在指標も盛りだくさんとあっては、一般投資家にとっては難易度がます相場でもあり、基本的には、事が生じてからの始動が賢明である。レンジ幅を拡大して臨むことが肝要であるが、瞬間的な120円台乗せを意識して、同レベルでの売りにも妙味が生じるぐらいの軽いポジションで臨むことが良策であろう。仮に、120円台に乗せたとしても、米ドルの上昇力が限れている相場だけに、戻り期待も十分にあるが、誰しでも想定する相場でもあり、売買の展開を早めることを重視することを勧める。
先週の日銀福井総裁発言にも見られるように、年度内の利上げも視野入り、円高に対する反応も垣間見る状況である。総じて、米経済の軟着陸期待が先行しており、米ドルロング志向が強い相場であるが、ユーロ円をはじめとして、円安に対する嫌悪感も浮上している相場であり、ドル円120円における達成感と共に円高局面に突入することも配慮すべき頃合であろう。
状況的には、米ドル上昇リスクよりは急落リスクが高まるだけに、米ドルの買いにも一服感が生じているのだろうが、米軟着陸が順調と判断しても、米中間選挙、地政学的リスク、そして、無視されがちな双子の赤字を背景にすれば、米ドルへの過剰期待は避けるのが本筋であろう。特に節目でもあるドル円120円レベルだけに、ポジションの縮小で臨むことがベストな対策である。
▼先週のシカゴIMM先物通貨(投機筋)の円ショートが12万枚と想像以上伸びを見せている。通常では6万枚を越えてくると警戒レベルに達する筈だが、今回の円ショートだけには驚かされるばかりであり、ドル円120円、ユーロ円150円との兼ね合いもあるが、警戒レベルを超越しているだけに、たとえ、今後も円安傾向が進行したとしても、耐える時でもあり、確実にポジションの縮小を優先させる相場である。
先週も同様なコメントを述べたが、いずれはやってくる円ショートの手仕舞い局面を想定したポジションで臨むしか対策はないため、自重気味のポジションで徹することを勧める。
上記に述べたように、ドル円120円、ユーロ円150円、ともなれば、円ショートは自重することが賢明であろう。
******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年10月15(日) 週末の終値ベース 事前予想実施中
チャート上では先週に引き続き米ドルが過大評価されている傾向がある。米ドル売りの初
期段階に到達しており、米ドル売りの転換期になる恐れもある。先週の繰り返しになるが、
ドル円120円前後とユーロドル1.25前後の米ドル売りであればリスク限定局面と言える。
★US$チャート(ユーロドル/ドル円)No.7米ドルの強弱を参照。
新外為の森HP内)http://kentish.fc2web.com/7doruen+yurodoru.htm
▲ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1314←0.1268)
乖離幅試算=ユーロドル1.2510⇔ユーロ円149.70(0.7994−0.6680=0.1314)
先週の売りシグナル119.00円から更に強い売りシグナル119.65円が点灯している。
過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)
→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買
い様子見)→0.1103(116.30様子見)→0.1153(117.25売り)→0.1138(117.10売り継続))
→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55弱め売り継続)→0.1143(118.15売り)→0.1268(119
円売り)
▲ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅28円 現状乖離幅30.05←30.95円)
先週の利益確定の一部買戻し1.2600から、今週は最終局面まで到達し、全面的にポジショ
ン解消局面であり、1.2511の買いで様子見に突入している。
過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269
売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917
売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2875売り→1.2720売り弱め→1.2824売り→1.2755売
り弱め→1.2835売り←1.2672売り弱め→1.2666売り弱め→1.2784売り→1.2675売り→
1.2600売り(一部買戻し)
▲ 豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅29.80←30.70円)
先週の弱い買いシグナル0.7420から、今週はポジション解消レベルに達しており、0.7509の売りで様子見に突入している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売りclose→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り継続→0.7665売り→0.7537買いclose→0.7503様子見→0.7460弱い買い→0.7420弱い買い
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅41.00←40.65円)
先週の買い0.6584から状況は変化は見られず、今週も0.6573の買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い→0.6422売り→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6337買い→0.6395買い→0.6371買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6628買い継続→0.6615売りclose様子見→0.6530買い弱め→0.6584買い
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅14.50←13.30円)
先週はポジション解消売り1.1258が点灯したが、今週は弱めの売りシグナル1.1379が点灯しているが、いまだ不充分な乖離であり、様子見段階。週間ごとの売買シグナルは下記の通り
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclose→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248
買い→1.1088買い→1.1048買い→1.1207買い→1.1298売り→1.1195買い→1.1174買い継続1.1178買い→1.1258売りCLOSED
▲ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅20円 現状乖離幅17.30←15.35円)
ドル円119.65x2=239.30−ポンド円222.00=17.30円
短期間にポンド売りが生じており、先週は1.8710で売りが継続していたが、今週も更に下降気味ながら、今週も1,8554でも売りシグナル継続中であるが、一部買戻しも考慮。
過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
乖離幅30円前後から10円まで縮小しており、10円を割ってくると強い売りシグナルが点灯する。最近の乖離幅の経緯は13円→16→13→17→21→17→10→13→15円→17円と乱高下している。乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250、15円→1.8600、10円→1.9000レベル。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅25.65←24.60円)
先週はポジション解消の売りレベル1.2606であったが、今週は久方ぶりに売りシグナル1.2728で点灯。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い→1.2307買い→1.2475買い継続→1.2552売りclose→1.2366買い→1.2509買い弱め→1.2606売りポジション解消
★豪ドル円/NZドル円裁定取引平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅11.20←9.95円)
先週はポジション解消レベル9.95円の乖離幅であったが、今週は再び乖離幅拡大中であるが、もう少し様子を見てからのスタートを推奨、12.50からのスタートが目安。過去の週間ごとの経緯は次の通り。
9.30円→10.80→11.80→13.95→13.05→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05→15.40→13.90→14.05→13.60→10.55→10.35(ポジション解消)→11.00→9.95様子見
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&265円以上は円安の目安)
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.446月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円円安基調が顕著に見られる。先週は269円に接近、今週は119.65+149.70=269.35円と過去最高を更新中、円安が270円に達すれば、円高への転換期も。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離68円 現状乖離幅72.30←72.70円』
様子見が継続中、先週の0.6735から変化は見られず、今週0.6743で様子見継続。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6922売り→0.6748買い→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6730様子見→0.6768様子見→0.6735様子見継続
▲ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.70←55.55円』
先週も売りシグナル1.5844が点灯中していたが、今週は更に強い売りシグナル1.5925が点灯中。過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5702売り→1.5726売り→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続→1.5905売り→1.5855売り継続→1.5884売り継続中
▲ポンドスイス『平均乖離28円 現状乖離34.00←33.85円』
先週の売りシグナル2.3585に続き、今週も売りシグナル2.3617が継続。過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い様子見→2.3388売り様子見→2.3447様子見→2.3264様子見→2.3615売り→2.3490売り継続→2.3425売り継続→2.3585売り継続。
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新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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