米金利引き上げ確実視されるも過剰反応!?
予想レンジ
ドル円 122.50〜124.00
ユーロ円 131.50〜133.30
ユーロドル 1.0630〜1.0830
豪ドル円 85.80〜87.50
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先週末発表された10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想(18万人増)を大幅に上回り、27,1万人増加となる中、失業率が事前予想通りに5%に低下と2008年4月以来7年半ぶりの水準を示したことから、米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げ説が確実視されつつあり、ドルは対主要通貨で全面高の展開になっている。反面、米利上げ観測が現実味を高まったとは言え、利上げ幅が0.25%程度に収まる範囲であり、それ以後は世界情勢の成り行きを見ながら、緩やかな金融引き締め策になることが見込まれているだけに、市場は過剰反応的にドル買いに傾斜していると言わざるを得ないだろう。
一方、ドル円はストップロスを巻き込む格好で難なく実需や利益確定売りをこなしながら、一気に123円台をクリアーするなど様変わり様相を呈している。米長期債利回りも上昇基調を強める中、NYダウ平均株価も46ドル高と小幅上昇するなど、米景気回復の順調さが改めて意識されている。その中、エバンス・シカゴ連銀総裁は12月FOMCでの利上げの可能性は間違いなく現実的であり、利上げの環境は整っている可能性を示唆しており、更にドルの買い戻し機運が高まっている。とは言え、日米当局が案じているドル高、円安レベルに急接近しており、安易にドルを買い増す難しさも台頭している。
他方、ユーロドルもドル円と同様に節目と見られていた1.08をアッサリ割れ、1.07台前半まで急落するなど警戒感を強めている。今年3月の安値圏である1.05前後も意識せざるを得ない相場環境にある。ただ、短期筋としては、ユーロショートが積み上がりの進捗状況に対する危機感もあり、拙速的に下値を探る状況ではないが、市場全般がストップロス優先の展開を強いられているだけに、引き続き戻り売り優先で臨むしか妙策はないだろう。