世界的低金利政策でキャリートレード志向強まる!?
予想レンジ
ドル円 120.50〜122.30
ユーロ円 133.00〜135.00
ユーロドル 1.0900〜1.1130
豪ドル円 86.50〜88.30
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先週末、中国人民銀行(中央銀行)は景気減速懸念を背景に、利下げに踏み切ると共に、預金準備率も再び引き下げ、また、預金金利の上限も撤廃し金利を自由化する旨が発表される中、ドルの買い戻しが急を告げている。その後、人民銀行の易綱副総裁は、中国は今後3〜5年間、6〜7%の経済成長を維持できるとの考えを示しているが、先の中国第3四半期GDPは前年比6.9%にとどまっているにもかかわらず、利下げに踏み切ったことにより、市場は中国経済の減速が深刻化しているとの憶測が飛び交っている。
一方、ドル円はドルの買戻し意欲が強まる中、一気に121円台半ば前後まで切り返している。世界的な金融緩和策が長期化する中、対ドルに対してキャリートレードが進行していることも、ドル円の上昇に弾みがついている。今後は年内の米利上げ観測が強まれば、更なる上昇も予想されるが、米国としても、ドル高けん制の動きが強まると共に、リスク回避による円買い需要が増す可能性もあり、総じて、相場の難易度を高めていると言わざるを得ないだろう。
他方、ユーロドルは先のドラギECB総裁のマイナス金利導入発言を背景に米欧金利差拡大、そして、債券利回りが軒並み低下する中、ドイツ債利回りがマイナス圏に突入しており、上値の重い展開を強いられている。ドル円と同様にキャリートレードの対象通貨になっている可能性も高く、下値余地は残されている。反面、ユーロドル1.10割れの段階では利益確定買いや値ごろ感の買戻しもあり、下値は限定的になりつつあるが、いずれにしても、上値限定的と判断し、引き続き戻り売り優先で臨むことがリスクは軽減されるだろう。