円高へのゴーサイン近し?福井日銀総裁発言に注目!
昨晩の米貿易赤字が改善見込み予測から過去最大699億ドルに達したにもかかわらず、米ドルの下げは限定的であったように、米国の双子の赤字伝説も為替には反映されていないのが現況である。不安定な世界経済が米国依存症である限りは、段階的な米国赤字は容認されるマーケットなのであろう。本来ならば米ドル売りが加速するのがマーケット心理でもあり、市場参加者の常套手段であるはずが、マーケットのコンセンサスは『米ドル買いの流れ』である。
▼米貿易赤字の垂れ流しが世界経済を支援している要因であるが、実際問題としては、何時までも放置できない状況であるが、米国サイドの危機感も感じられず、未だに赤字削減努力が見えてこず、そして、削減出来ないのがブッシュ政権の実態なのであろう。過去の経験則から判断しても、貿易不均衡の改善手段もあるが、米中間選挙を前にして、米ドル安が煮詰まる背景が見え隠れしている。 要は米ドルの下値は堅調と言われながらも、常に爆弾『急落リスク』を抱えている状況でもある。地政学的には北朝鮮と諸々のテロ警戒であろうが、経済学的には米国の台所事情が鍵を握っているの事には変わりがない。それゆえに、安易に125円、130円の円安と言えない理由がある。
▼昨日日銀福井総裁が述べているように“株と為替の状況は企業にとってコンファタブル『快適』状態であり、懸念された米経済も軟着陸期待と原油市況改善となれば、デフレ脱却宣言は今すぐにでも出来るはずなのだが、それでも早期再利上げが見えてこない日本経済であるが、本日の日銀金融政策決定会合に注目はあつまるが、場合によっては”デフレ脱却宣言“が円高へのゴーサインになるかもしれない。119円台半ばのドル円ショートで臨むことも一案であろう。
▼昨日はドル円120円へのトライに至らず、再度で直し相場となるが、119円割れが生じて見なければ、マーケット情勢は掴み切れにないのが現状であろう。米ドルの売り圧力が増しているわけでもなく、ポジション調整売りがどの程度まで進行するかによって、次のステップを見極めることも重要である。119円前後では堅調な買いが見られるが、利益確定の買いと損失確定の分岐点でもあり、多少の乱高下は生じると思われる。同レベルでは新規の米ドルロングも考慮すべきであり、基本的には119円前後割れの買いであればリスク限定の相場になるだろう。しかし、ドル円120円へのトライも遠のいた感は否めないが、利益確定も119円台半ばから後半には設定し、レンジ相場が形成される限りは、50ポイント刻みの売買に徹することも必要である。繰り返しなるが、短期売買で1円、2円も抜ける相場ではないため、資金的余裕や心理的な余裕は言うまでもないが、時間的な余裕を持って臨む事も大事である。そのためには売買タイミングを重視することに尽きる。