世界同時株安の遺恨が残る株価反発!利食い優先の展開?
不安視された中国上海株式市場が昨日反発に転じたことから、欧米株式市場は素直に株高へと反応している。ただ、為替相場と同様に株式市場にも中国当局の株価下支えによる上昇局面との見方が支配的であり、中国株が自律反発したとの考えに至るほどの安堵感はなく、引き続き中国減速懸念を背景に波乱含みの相場展開が予想される。
一方、ドル円は世界同時株安が一服したことから一時120円台回復したものの、先の米雇用統計や一連の経済指標からは年内の利上げの可能性は残るものの、早期の利上げに関しては、ドルの流動性にも支障をきたすとの観測などもあり、FRBとしても利上げタイミングには慎重にならざるを得ない。いずれにしても、来週のFOMCで明暗が分かれるであろうが、当面、ドル円は引き続き120円前後で試行錯誤の段階とも言える。ただ、これまでも幾度となく利上げの可能性は取り上げているだけに、市場の反応は限定的になる可能性も高く、現時点では中国経済並びに株価動向に振り回される展開と見なした方が無難で
あろう。
他方、ユーロドルは方向感の乏しい状況が続いているが、中国の経済減速懸念に関しては、日米と比較して影響は軽微とも言われており、中国経済が低迷すればユーロ買いに反応する可能性があるが、目先の米金利先高感を踏まえた、ポジション調整売りが控えており、徐々に、1.12台からの上昇が重石になっている。また、先週のECB理事会では追加緩和に含みを持たす内容であったこともユーロの上昇を妨げている。