中国台風?風速70メート級接近で視界不良!
予想レンジ
ドル円 117.50〜119.50
ユーロ円 136.50〜138.50
ユーロドル 1.1400〜1.1650
豪ドル円 84.50〜86.50
***************************
市場には中国経済への不信感が浸透しており、相対的にリスクオフの動きが顕著になっている。中国経済の成長が株式市場や原油価格の上昇をもたらした経緯があるだけに、今回の中国経済の失墜懸念が相場全般のかく乱要因と化している。世界同時株安が進行する中、昨日の米株式市場ではNYダウ平均株価が一時1,000ドル超下落するなど過去に例を見ないほどの現象を引き起こしており、市場は損失確定売りに圧される格好で波乱含みの展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は122円台から一気に116円台まで急落しており、ここ最近の為替相場の傾向としては過剰反応とも言える状況になっている。日経平均株価も含めた株安の負の連鎖が各市場に波及する可能性が高く、ドル円の戻りは限定的になっているが、当面、ドル円のレンジ幅を115〜120円にシフトせざるを得ないだろう。その中、株安や原油安を背景に、米利上げ観測は大幅に後退した感が強く、ドル売りが優先され易い地合いではあるが、昨日、ロックハート・アトランタ連銀総裁は緩やかな利上げにはなるが、今年のどこかでの利上げを指摘するなど、金利正常化に向けては前向きな姿勢である。穿った見方になるが、米当局としては、懸念されていたドル高相場が一旦相殺された側面もあり、為替相場自体の不均衡差はやや是正されたとも解釈できる。
他方、ユーロドルも1.13台半ば前後から一時1.17台まで急伸するなど、ドル円と同様に、大量のストップロスを巻き込み、とりとめのない相場展開を強いられている。その中、メルケル独首相は、中国は安定に向けて、できる限りの事を実施するだろうと予想、そして、IMFは中国経済の現在の危機は続かないとも指摘しているが、あくまでも希望的観測に過ぎないとの声も多く、当面、中国経済を睨みながら難解な相場展開が予想されるだけに、様子見に徹するか、又はレンジ幅を最大限に拡大して、少なめの売買で対応することが一考であろう。