円安副作用懸念和らぐ!ドル円125円再トライ?
市場は9月の米利上げ観測をめぐって様々な情報が錯綜しているが、昨日発表されたNY連銀景況指数が予想に反して、大幅なマイナスとなったことから、一時ドル売り志向が強まったが、その後発表されたNAHB住宅指数は事前予想の範囲であったが、2005年以来の高水準ととなり、ドルを買い戻す動きが散見されるなど、為替市場はドルを中心に一進一退の展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は中国経済の減速懸念や金利先高観測を背景に、ドル買いニーズが高まる中、ドル円124円台では底堅い展開になっている。ただ、依然として、ドル円125円台が足かせとなり、積極的に上値を追う難しさは否めない。その中、日本政府としても、加速的な円安は輸入価格の上昇を伴う関係上、基本的には歓迎しないだろうが、反面、原油価格の急落を踏まえ、今まで論じられていた円安副作用に対する懸念は、ある程度容認される可能性が高く、また、円安維持は観光事業の促進やデフレ脱却には欠かせない条件とも言えるため、ドル円125円トライには違和感が生じていない。
他方、ユーロドルはユーロ圏財務相会合で、ギリシャ第3次プログラムが合意されたにもかかわらず、戻り売りに圧された格好で1.11割れへと下落基調を強めている。明日にはギリシャへの金融支援の承認をめぐりドイツ議会の採決が行われるが、ドイツはIMFの支援参加が必要としている。依然として、IMFはギリシャ経済には債務減免が必要との立場であるが、ドイツ側は拒否反応を示しており、ギリシャ問題を巡り悶々としている間は、ユーロドルの戻り売り志向は根強いものがある。