ユーロ離脱懸念現実味!苦渋の選択はギリシャ<債権団!?
ギリシャ国民投票でEU側が求めている緊縮策にギリシャ国民は拒否の判断をした事により、ギリシャのユーロ離脱懸念が現実実を帯び始めており、市場は相対的なリスク回避の動きが加わる中、世界的な株安に警戒感を強めている。その中、昨日は仏独首脳会談が行われたが、ギリシャ国民投票の結果は尊重するものの、ESM活用プログラムに向けた協議はまだできないと述べ、また、IMFのラガルド専務理事は要請があれば、ギリシャを支援する用意があるとしているが、資金拠出は不可能とし、技術的な支援の提供にとどまる旨を表明している。
一方、欧州中央銀行(ECB)はギリシャ国内銀行向け緊急流動性措置(ELA)の上限据え置きを決定したが、ELAを受けるために銀行が差し出す担保の割引率(ヘアカット)を調整する旨を伝えている。ユーログループ(債権団)は表面的には、ギリシャのユーロ離脱を回避したい意向には変わりがないのだろうが、今後もギリシャの取り巻く環境が更に悪化することを踏まえれば、ギリシャの早期ユーロ離脱がユーロ経済に好影響をもたらすとの考えも正当化されるだろう。現時点ではギリシャが自らユーロ離脱宣言を発することが望ましいのだろうが、反面、債権団側からギリシャを切りすてれば、世界的な批判の的になる可能性もあり、債権団は苦渋の選択を余儀なくされているのかもしれない。
他方、昨日発表された米6月ISM非製造業景況指数や同労働市場情勢指数が総じて市場の予想を下回ったことが嫌気される中、債券利回りの低下や株安を背景にややドル売りに傾斜したことから、ユーロは下げ止まりの様相を示しているが、買戻しには慎重にならざるを得ない相場環境であり、引き続きユーロの戻り売り志向は根強いものがある。その中、ドル円はドル買いニーズとリスク回避の円買いに挟まれ、122〜123円のレンジ幅で動きづらい状況にあるが、ギリシャ問題に左右される相場展開ではなく、上記レベルからナンピン売買で待機策に努めることが得策であろう。