ギリシャ動向に翻弄!冷静沈着で待機策一考?
ギリシャの破たん懸念を背景に市場は動揺を隠せない中、日欧株式市場が大幅な下落に追いこまれる中、NYダウ平均株価は350ドル安と今年最大の下落幅を記録するなど、為替市場にもリスク回避的な動きが優先されている。週明けの市場でユーロは大幅な下落を余儀なくされたが、海外市場に入ると徐々に買い戻しの動きが強まり、ギリシャ不安が一掃された訳ではないが、取引開始直後の窓を完全に埋めるなど、市場はギリシャ問題に翻弄される格好で相場の難易度を更に高めている。
一方、ドル円はギリシャ懸念によるリスク回避の円買いや株価の急落などから上値は抑えられているが、米金利先高観測や米回復期待を背景に、ドル円122円割れもなく、122円台半ば前後で底堅い展開を見せている。市場の関心がギリシャ問題に集まっている以上、引き続き狭いレンジ幅での攻防が予想されるが、円主導の展開ではないことから、当面、ドル円121.50〜123.50円のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないだろう。
他方、ユーロドルは不安定極まりない上昇局面ではあるが、一部ではユーロショートが急拡大した反動とも捉えられている。そして、未だにギリシャがユーロ圏に留まるか否かは懐疑的である以上、再びユーロ売り圧力が増す可能性が高いだろう。その中、ギリシャ政府は本日30日のIMFへの債務返済は行わないとの旨が伝わっているが、先にラガルドIMF専務理事はギリシャが返済しなくてもIMFによる追加支援はないと述べており、ギリシャの取り巻く環境はますます悪化している。その中、7月20日にはECBが保有する国債35億ユーロの償還が控えており、ギリシャ側としてももはや他力本願のみしか策はなく、腹をくくった状態とも解釈できる。一方、ギリシャのユーロ離脱はユーロ圏の活性化に繋がるとの見解も少なく、また、デフォルト自体の市場への影響は軽微との思惑もあるが、予断を許せない状況に変わりがなく、ユーロの戻り売りに比重を置いた方が無難であろう。