外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >戦略の見直し、Change your mind.

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

戦略の見直し、Change your mind.

米国では全米プロで15歳のミシェル・ウィーがゴルフで大活躍、惜しくも最終日には崩れたが、他にも続々と若いアマチュア(女性)が登場し、プロの最大級のトーナメントとは思えないほどの若年層の女性が躍進している。生まれ育った環境も違うにしても、世界的に若い女性の躍進は目に見張るものがあり、日本では15歳の青少年犯罪が話題になるようでは嘆かわしいですね。オタク人間は切れると怖いと言うが、昔の言葉でいえば内弁慶なのでしょうが、昔の内弁慶は家に居てもテレビ以外は楽しむものもなく、外で遊ぶことがストレス発散になっていたのでしょうけれども、小学生の頃から家ではインターネットと携帯メールでは友人との会話もなくなり、ストレスが溜まるのが当たり前。
筆者の家にももうすぐ14歳になる一人娘が好き勝手な行動をしているが、確かに全てのものを与えると、パソコンも携帯も利用できることが最低条件となってしまう。親の指導の至らなさもある。時既に遅しの感はあるが、親が子供のご機嫌取りになることだけは避けねばならないですね。為替の損切りもドン底まで見ないと、切るに切れない状況になり、結果的には塩漬け状態が待っているが、早めの手当てが自己防衛に繋がると理解するには、授業料も馬鹿にならない。どうしたら損を防ぐこと専念すれば、おのずから勝利に繋がるのだが、どうしたら大儲けしようと考えるとリスク管理がおろそかになる。自分の子供だけは大丈夫と言う発想が墓穴を掘ることにもなる。

▲今週は先週とは打って変わって経済指標が目白押しであるが、今月末とFOMC政策金利と月初の日銀短観の両横綱が最後に控えているため、週の初めは調整に向けたやりとりが主体になるであろうが、それまでは原油価格の動向がレンジ相場を揺るがすと判断するが、どの題材が最も為替相場に影響を及ぼすかも不透明であり、神経質な展開は避けられない。
●既にFOMCの利上げ幅も0.25%がほぼ確実視されてはいるが、米長期金利の低下傾向は低金利政策を脱するにはFRB議長の思惑とは相異があることも間違いないが、金利のフラット化がもたらす影響を考慮すると、短期金利FFレートの上昇ばかりでは喜んではいられない。FRB議長の恐れているのは、長期金利の低下であろうが、消費好きな米国人の貯蓄率を更に引き下げるのみであり、依然として、住宅バブルも収まらず、いずれ長期金利が上昇に転じたときにはバブル崩壊と破綻が待ち受けている。本来ならばFFレートの継続的な利上げも4%前後のレベルまで引き上げたいのであろうが、長期金利の上昇も期待できない段階では、更にFRB議長の舵取りにも限界が生じてくる。日欧の経済成長が鈍化している以上は、米国の台所も潤う状況ではなく、その方向性を中国や他のBRICSに求めるには時期尚早とも言える。中国の台頭が日欧にも景況感をもたせ、米国の景況感に繋がるのが狙いなのだろうが、世界経済も錆びれた米国主導のエンジンからの脱皮が必要な時期にさしかかっているのが現実かもしれない。
●米国の利上げの際には、将来の布石のためにも悲観的な見解は控えざるを得ないだろうが、トーン自体に変化が見られる状況であれば、米ドルの上昇もかなり抑えられると判断する。原油価格、金利動向、為替の切り上げ、そして地政学リスクまで含めれば、相対的にも相場に対する影響は計り知れない。予想をする事自体に無理が生じており、当てにならないエコノミストは別にしても、チャートやファンダメンタルズ分析では予測不可能と言っても過言ではない。FFレートも年末までには更に0.5%上乗せされると言う見解もあるが、現状では大きく相場を左右するものではなく、また恒常的に米ドルが買われる要因としては軽視しても良いと推測する。
●原油価格の高騰が米国の景況感のみならず、日欧経済にも波及し、中国人民元の切り上げにも影響を与えかねない段階でもあり、当面の原油高止まりを想定しながらの為替相場となる以上はポジションの縮小を心がけ、何時いかなる時にもポジションの反転が出来る状況が好ましい。過度のドル高・ドル安が期待できる相場でもなく、はっきりとしたレンジ相場のイメージを持ちながらトレードする方が賢明である。
●日銀短観も大方の予想通り、改善方向となる模様であるが、円高を後押しする材料としては、インパクトに欠ける内容と予測するが、月末のFOMCの利上げに悲観的な見解でも述べられるようだと、複合技の威力で円高威力も増すことにもなる。但し原油価格の高騰が加味されると景況感としては微妙な評価にもなるといわざるを得ない。

▲先週はECBの利下げ見通しが台頭しながらも、ユーロ?の軟調も一段落の方向で収まったが、ユーロドルの1.2000割れのイメージが抜けきれず、必然的にユーロ?の上値が重くなると判断する。1.21台からの上昇度は限られており、自力の回復が計算できないユーロ経済だけに、ユーロ?の上値を1.21台の後半に置けばリスク限定と判断する。ドル円も110円台に乗せるに要因が乏しいが、人民元の切り上げも早まる段階ではなく、意外にも狭いレンジの攻防となる可能性はある。108~110円のレンジを想定しながらの戦略に固執するのも得策と言える。オセアニア通貨にも一服感が見られるが、米国金利の引き上げ次第では、高金利通貨の妙味が薄れ、一気に売りが加速される可能性もある以上はできるだけロングを避けたいレベルでもある。依然として買い意欲が旺盛な通貨の代表であるが、一呼吸おくことも賢明な判断であろう。

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド