ユーロ不安定な上昇局面!過剰期待は禁物?
予想レンジ
ドル円 119.50〜120.50
ユーロ円 133.80〜135.30
ユーロドル 1.1150〜1.1300
豪ドル円 94.80〜96.30
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米利上げ時期が不透明になる中、市場はドルロングを縮小する動きに傾斜しており、全般的にドルの調整売りが広がりつつある。ただ、FRBによる利上げは確実視されている以上、今後も利上げ時期が鮮明になれば、再度ドル買いにニーズが高まる可能性がある。昨日、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は初回利上げの時期については様子見モードであるが、景気回復と伴に賃金上昇も期待されるため、やや早めの段階的利上げ開始が望ましいと述べており、拙速的にドル売りを仕掛ける難しさもある。
一方、各国の債券利回りの上昇が続いているが、一部では、金融市場全般が金利正常化に向けた上昇局面と捉えている側面があるが、量的緩和策の反動とも受け取られており、短期的に資金流動性の変化が起こり始めているのかもしれない。当面、債券離れを踏まえながら、株式や為替市場へのシフトも考えられるだけに、いずれの通貨も神経質な展開が余儀なくされている。その中、ドル円は引き続き一進一退を繰り返しており、未だに、ドル円120円前後で方向感を見いだせない状況であるが、引き続き119.50〜120.50円のレンジ幅で売買を模索すること一考であろう。
他方、ユ−ロドルはドルの調整売りやドイツ債利回りの上昇を受けて、一時1.130近くまで上昇し底堅い展開を見せている。ユーロショートの巻き戻しや損失確定買いを伴っており、下値は限定的ではあるが、ユーロ自体の買い材料とは言えないだけに、不安定な上昇局面と言わざるを得ないだろう。当面、ユーロドル1.13前後からのロングは自重し、同レベルからのナンピン売りに比重を置いた方がリスクは軽減されるだろう。