米利上げ観測6月ハードル高し!?
米連邦準備理事会(FRB)が公表したFOMC議事要旨において、年内の利上げの可能性が示されたことを受けて、ドルを買い戻す動きが強まっている。内容的にはFRB当局者は米国経済が年初来冴えない経済指標を認識しているものの、数人のメンバーからは今後の米経済指標次第では6月の利上げの可能性を残しているとしたほか、年後半には実施されることを強調したことから、市場はドル買いに傾斜している。ただ、依然として、6月の利上げのハードルは高く、また、米経済指標が好転するかどうかは、未だに懐疑的である以上、今回の議事録は金利正常化に向けて、利上げの可能性を後退させたくないとの思惑とも受け取られる。
一方、ドル円は120円台の利益確定や実需売りをクリアーしながら、底堅い展開ではあるが、引き続き120円台半ば前後では利食いや実需売りが控えている関係上、過剰期待は禁物であろう。また、昨日は米当局や黒田日銀総裁がドル高懸念に触れているが、本邦の貿易収支は円安並びに原油安を受けて、大幅に改善される中、近々にも黒字化する可能性が高いことも踏まえれば、ドル円120円台半ば以上では一旦清算局面を迎えていると見なすことが一考であろう。
他方、ユーロドルはドル買いに圧される格好で再び1.08割れへと警戒感を強めているが、ギリシャの資金枯渇問題や英国のユーロ離脱問題が残されている以上、引き続期戻り売り優先の展開を強いられている。現時点でのユーロの買い戻し材料がユーロショートの巻き戻しに限られていることもユーロの圧迫材料になっている。それ故に段階的なユーロの下落局面を演出しているとも解釈できるため、引き続き戻り売り優先で臨むことが賢明であろう。