一本調子のドル買いに陰り!ドル円122円&ユーロドル1.0500分岐点?
昨日発表されたNY連銀製造業景気指数は予想を下回り、ここ最近の小売売上や生産者物価指数に続いて、米主要経済指標が悪化傾向を示していることから、市場では明日のFOMCにおいて、金利引き上げ時期が後退するのではないかとの観測を受けて、米国株式市場では、NYダウ平均株価は228ドル高と18,000ドルに迫る勢いを取り戻しつつある。そして、米主要3指数が挙って1%を超える上昇となったことを背景に世界的な株高傾向が改めて意識されている。
一方、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期をめぐって、相対的に慎重姿勢が深まったことから、ドルは主要通貨に対して下落基調を強めている。ただ、ドルは既に対主要通貨で軒並み上昇しているため、通貨安競争も終焉を迎えつつあるのかもしれない。また、米国内においてはドル高の副作用が案じられているように、現状レベルからのドルの反動売りは織り込み済みとの見方も少なくない。その分岐点がドル円122円並びにユーロドル1.0500あたりになる可能性は捨てきれないだろう。
他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料もない中、ドラギECB総裁はECBが先週から実施している量的緩和策による金融刺激に加え、原油安やユーロ圏諸国の構造改革が後押ししていると指摘した上、ユーロ圏経済は着実に回復しているとの認識を示しており、多少なりとも楽観的な見方が先行しつつある。ただ、ギリシャ問題が危機として進展しておらず、昨日も欧州委員会はギリシャの状況は深刻であり、ギリシャは迅速に改革の約束を実行すべきと述べている。また、シュタインマイヤー独外相もギリシャは早急にユーロ圏提
案するべきと警笛を鳴らしており、ユーロドルは引き続き戻り売り優先される中、一進一退の展開を余儀なくされている。