ギリシャの取り巻く環境悪化の一途!ユーロ離脱近し?
昨日のNYダウは小幅の6ドル高のさえない展開ではあるが、ドル円は米長期債利回りの上昇が支えとなり、118円台半ばで底堅い展開になっている。ただ、昨日発表された米1月ダラス連銀製造業活動指数はプラス予想に反して、マイナス4.4、そして、米議会予算局が今年の経済成長率予想を2.9%に下方修正したことから、ドル円119円前後では実需並びに利益確定売りが散見されるなど、ドルの買い戻しも限定的になっている。また、市場は本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目する中、米北東部で記録的な暴風雪の予報が出ていることもあり、積極的にどちらにもポジションを傾けづらい状況は否めない。
他方、ギリシャの総選挙が事前予想通りの結果となり、材料出尽くし感を踏まえて、ユーロ売りが一服している。相対的にはユーロショートカバーが先行した格好で一時ユーロドル1.23台を窺がう展開になったものの、依然として、損失確定売りを背景に戻り売り圧力が強く、失速気味に1.22台前半まで下落基調を強めるなど、市場の潜在的なリスク回避の動きは根強いものがある。その中、ユーログループ議長はギリシャのユーロ圏離脱は想定していないとした上、総選挙が行われたからと言って、ギリシャ経済が抱える主要な問題が解決したわけではなく、EUはギリシャがユーロに残るための計画なら支援する旨を述べてはいる。ただ、欧州各国はギリシャによる支援資金の返済期限延長に応じる姿勢は示しているものの、新政権が主張する一部返済免除は受け入れないとの立場を示している。その他でも、欧州連合(EU)のエッティンガー欧州委員は、ギリシャの債務再編を行えば、ポルトガル、アイルランド、キプロス、スペインなど他のユーロ加盟国に誤ったメッセージを送ることになるとの考えを表明。そして、国際通貨基金(IMF)ラガルド専務理事は、ギリシャはユーロ圏のルールを守るべきであり、債務について特別扱いを求めるべきではないとし、ユーロ圏には順守すべきルールがあり、特定の国を特別扱いするわけにはいないと強調するなど、ギリシャの取り巻く環境は悪化の一途をたどっており、ギリシャのユーロ離脱は時間の問題なのかもしれない。
いずれにしても、市場には混乱を招いた原油価格の底打ち、過剰なドルロングの解消、ユーロショートの巻き戻し、そして、スイスショック終焉など、あらゆる憶測が飛び交う中、市場全般が過剰反応する傾向は否めないだろう。その中、金融機関や機関投資家、そして、投機筋などの専門家でさえも、直近の乱高下相場への経験値はほぼ皆無に近く、ストップロスに振り回されている状況を考慮すれば、当面、相場が大きく動意づいてから少なめの売買で始動することが賢明であろう。