不安定な原油価格!波乱含みの展開継続?
昨日発表されたFOMC議事録では原油安の影響や世界経済成長の鈍化を踏まえて、4月より前の利上げの可能性は小さいことが指摘される中、今後2回の会合で利上げしないことを示唆している。そして、海外の政策対応が不十分なら米経済の下振れリスクであり、初回利上げの時期は新たなデータ次第との見解を強調するなど、早期利上げ時期はやや後退している感がある。市場は一時米ドル売りに走った場面もあったが、NYダウ平均株価が値ごろ感の反発や米ゼロ金利政策の継続性から、前日比212ドル高の17,584ドルで引けており、ドル円は株高期待を背景に再び119円台を回復するなど、ドルの買戻し志向は根強いものがあるが、
一方、原油価格の売りは一服しているが、依然として、1バレル50ドル割れへと危機感を強めている。米国勢調査局によると、11月の米原油輸出は過去最高を更新しており、今後も供給過多が予想されるだけに、当面、値ごろ感の買戻しは限定的との見方が支配的である。ただ、原油価格の急落がリスク回避志向を一層高めているものの、既に、為替、株式、そして、債券相場は影響を受けており、今後、原油価格の動向だけでは、相場への影響は限定的との見方も少なくない。
他方、ユーロドルは欧州中銀(ECB)の量的緩和が秒読み段階であると共に、ギリシャの政局不安などが加わり、特筆すべき買い材料もない中、上値の重い展開を強いられている。当面の買い材料がユーロショートの巻き戻しによるところが大きく、買い戻し一巡後には戻り売りが優先されやすい地合いには変わりがない。一部報道では対ドルで1.0000との憶測も飛び交っているが、ユーロとの相関性が最も強いスイスフランが対ドルで既に、1.000台まで下落している状況を踏まえれば、当面、ユーロドル1.2000前後が適正水準とも解釈できる。いずれにしても、市場は明日の米雇用統計を見極めたいとの思惑から、本日は調整主体の展開が予想されるため、ドル円と同様に直近のレンジ幅で売買を模索することが得策であろう。