外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >調整色強まるもドル高に警戒感!原油価格50ドル割れが転換期?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

調整色強まるもドル高に警戒感!原油価格50ドル割れが転換期?

昨日の米国株式市場は薄商いの中、米連邦準備理事会(FRB)の早期の利上げはないと表明していることから、NYダウ平均株価は横ばいで推移し、18,000ドル台を維持している。また、S&P総合500は最高値を更新するなど、依然として、株式市場への期待感には陰りはなく、ドル全面高の展開を余儀なくされている。

一方、ドル円は120円台が定着した感は否めない反面、急激な原油安を受けて、円安のデメリットが意識されている。その中て、昨日の原油価格は1バレル=53.61ドルまで低下、50ドル割れが現実味を帯び始めている。日本政府としても、円安がアベノミクス効果を一層高めており、株価の上昇、日本経済の活性化に繋がると共に、安倍政権の命題でもあるデフレ脱却への足掛かりでもあっただけに、安易に円安を批判できる立場ではないが、本格的な景気浮揚にはある程度の円高が求められる外部環境になりつつあり、当面は、ドル円121円台以上からのロングは自重することが一考であろう。

他方、ユーロドルは、ギリシャの政局不安やECBの追加緩和策を踏まえて、ユーロ売りが進行、約2年半ぶりに1.21台半ば割れへと下落基調を強めている。市場は大きな節目である1.200割れを意識し始めており、引き続き戻り売り優先の展開を強いられており、ユーロロングは自重局面にある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド