原油価格50ドル割れを見るまでは荒っぽい展開!?
原油価格の急落を受けて、市場は相対的に混乱を極めている。特に原油に依存しているロシアのルーブルは対ドルで史上最安値まで下落、また、米欧の制裁措置を懸念しているロシア中銀は急きょ政策金利を10.5%から17%まで引き上げるなど非常事態に陥っている。総じて、投資家心理の冷え込みを背景にNYダウ平均株価は111ドル安と調整売りが優勢になっている。また、米債券利回りは低下傾向にあり、ドルの調整売り圧力が増している。その中、ドル円は117円台半ば近辺から一時115円台半ば前後まで急落する場面もあるなど、世界的なリスクオフの動きが顕在化しつつあると言わざるを得ないだろう。
一方、本日は市場の注目はFOMCの動向に集まる中、FRBの声明文でゼロ金利を相当な期間の文言を削除できるかどうかにあるが、米債券利回りの低下傾向、株価の軟調気配、そして、原油価格の急落により安易に金融引き締め策を強化しにくい外部環境にある。いずれにしても、市場は原油価格の動向も含めて、ロシア経済並びに中国経済の減速懸念が加わった以上、FOMCとしても安易に政策変更する難しさがあり、FOMCによる過剰期待は禁物であろう。
他方、ユーロドルはドル売りに助長された格好で1.25台を回復しているが、依然として、ECBの追加緩和への期待は根強く、戻り売り優勢の展開には変わりがない。ただ、ドイツが国債購入に消極的であり、また、バイトマン独連銀総裁はユーロ圏経済がデフレに陥ったとしても国債購入は断固否定する姿勢を示している以上、早期の追加緩和実施は難しいと判断するのが正解であり、当面、1.2450〜1.2550のレンジ幅でナンピン売買が一考であ
ろう。