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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株高・金利差拡大・原油価格下落!ドル買い材料満載?

米経済への期待感を背景に、NYダウ平均株価は102ドル高と市場最高値を更新、段階的に18,000ドル台が視界に入っている。その中、米債券利回りの下げ止まりや原油価格の下落基調がドル買いニーズを更に高めている。そして、日経平均株価はNYダウの流れを引き継ぐ格好で連日で年初来高値更新期待が円売りを助長させている。昨日もドル円119円前後の利益確定売りや実需売りを難なくクリアーしている以上、同レベル前後からの買戻しが優勢であり、下値は限定的と言わざるを得ないだろう。

一方、フィッシャーFRB副議長は、米経済はまだ正常には戻っていないが、原油安は米経済成長には非常にプラスであり、最初の利上げは新たな仕組みの幕開けとなると強調している。また、ダドリーNY連銀総裁もエネルギー価格下落は若干ポジティブであり、2015年の成長見通しは2.5〜3.0%と楽観視していることもドルの買い戻しを助長させている。その中、日本政府の円安けん制発言を警戒する向きは依然として強いが、市場原理としては、けん制発言が逆作用する傾向が高い。当局としては、コスト高を懸念し、再度、円安に歯止めをかけるような発言を繰り返すだろうが、これからのけん制発言は一過性に円高にとどまり、中途半端な発言は逆効果となる可能性もある。当面、市場は120円トライを意識した展開が予想されるだけに、ドル円119円割れからのドル円ショートは自重することが一考であろう。

他方、ユーロドルはドルの買戻しや明日のECB理事会における追加緩和策への期待も手伝い、1.24割れとなるなど、下値を探る展開を強いられている。ただ、現状レベル1.23台半ば前後では割安感の買戻しも散見されているため、これからのユーロショートは慎重にならざるを得ないだろう。ただ、ECBが利下げに踏み切る可能性が捨てきれない以上、基本的には1.24台以上からの戻り売りで対応することが得策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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