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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

止まらない円安、118円は8合目、9合目か?急落に注意!

G7終了後もマーケットの反応は限定的になっている模様。事前に報じられた為替及び原油価格に関しても、中国側との交渉はポールソン米財務長官の訪中後でもあり、そして、原油価格の落ち着きもあり、一気にトーンダウンした主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議であったと言わざるを得ない。声明文も経常黒字の大きい中国において柔軟性を求めた程度であり、内容的には前回のG7と同じであり、円に関しても強く言及されはしなかった模様であるが、欧州勢からは一様に貿易不均衡とも思われる発言もあり、現実には介入操作を実施していない日本円には批判的言及は限られている。しかしながら、今後の過剰な円安期待には注意を払う必要がある。
▲週初は20日のFOMCに関心は注がれるが、2年続いた利上げ収束(ソフトランディング)の段階ではあるため、利上げ据え置きは決定的であるが、一方では年内に利上げの可能性も報じられ、又来年度には利下げの可能性も取り上げられるなど、米経済の減速と不透明感の強まりを見せている。いずれにしても、統計上からは再利上げを見込める状態ではなく、原油価格の続落から判断しても、インフレに対する警戒感の収まりが先行しやすい状況でもある。
穿った見方ではあるがFFレートを5.25%まで引き上げたことにより、5.5%のキリのよいレートを考慮すれば、僅かな利上げ期待を生じさせるレートが5.25%であるのかもしれない。米ドル離れを阻止するためにも、利上げの火種を消さないことが優先されるだけに、FOMCへの声明文に焦点は注がれる。
いずれにしても、先週と同様に原油価格の動向がキーポイントになる相場であり、さらなる原油の急落でも生じれば、利上げを織り込んでいるECBの利上げにも変化が生じるケースもありうる。かなり難易度の高いレベルの相場であり、当面は少な目のポジションで参加することが望ましい。

▲先週はシカゴIMM先物通貨(投機筋)における円ショートが最高水準(99,452枚)に達しており、ドル円118円、ユーロ円150円の上値の重さに関心は注がれざるを得ない状況である。基本的には一部の投機筋の円ショート志向が根強いことを表しているが、さすがに、現状レベルからの反動は必至であり、警戒かを強める戦略が必要になる。円安傾向である事は確かではあるが、ピークに達したと判断するのが妥当であり、先週に引き続き、リスク面から判断しても、新規の円キャリートレード及び円ショートを膨らませる状態ではないだろう。
******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年9月17日(日) 週末の終値ベースで事前予測実施中
ドル円117~118円、ユーロドル1.26~1.27のレンジ相場であるが、チャート上では主要3大通貨のバランスが取れている状態である。
US$チャート。No.7参照 米ドルの強弱
新外為の森HP内)
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1177←0.1145)
乖離幅試算=ユーロドル1.2663−ユーロ円148.95(0.7897−0.6714=0.1177)
先週の弱めの売りシグナル116.90から、今週も乖離幅拡大し、通常の売りシグナル117.60円が点灯している。
過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.0969(113.95様子見)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い様子見)→0.1103(116.30様子見)→0.1064(115.80売り弱め)→0.1153(117.25売り)→0.1138(117.10売り)→0.1145(116.96売り)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅27円 現状乖離幅31.35←31.25円)
先週は弱めの売りシグナル1.2672が点灯したいたが、今週も動きは少なく、売りシグナル1.2666点灯している。
過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2644売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2653売り継続→1.2756売り継続→1.2875売り→1.2720売り弱め→1.2824売り→1.2755売り弱め→1.2835売り←1.2672売り弱め。

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅29.10←28.80円)
先週はポジション解消の買いシグナル0.7537が点灯していたが、今週も引き続き様子見であり、売り買いの推奨局面ではない。0.7526で様子見状態である。
過去の週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売り様子見へ→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り→0.7665売り→0.7537買い様子見

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅39.65←42.40円)
終局下NZドルであるが、先週の買いシグナル0.6375から、現状では弱めの買いシグナル0.6628が点灯している。一部ポジション解消の売りも配慮したい。
過去の週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い継続→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335
様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6337買い→0.6395買い→0.6371買い→0.6550売り

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅12.55←12.60円)
先週は買いシグナルが1.1207で点灯していたが、今週も引き続き1.1195で買いシグナルが点灯している。売りの目安は1.120台後半に置く。
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclosed→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248買い→1.1253買い継続→1.1088買い→1.1048買い←1.1207買い

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅14.05←15.80円)
ドル円117.60x2=235.20−ポンド円221.15=14.05円 
今週は乖離幅拡大にともない、強めの売りシグナル1.8805が点灯中。
過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
乖離幅30円前後から10円まで縮小しており、10円を割ってくると強い売りシグナルが点灯する。最近の乖離幅の経緯は13→16→13→17→21→17→10←13円と乱高下している。乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250、15円→1.86、10円→1.90レベル。

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅23.95←23.20円)
先週の買いシグナル1.2475から、1.2557まで上昇し、1.2557ではポジション解消の売りが点灯している。様子見に突入。
週ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い→1.2307買い→1.2475買い継続

豪ドル円/NZドル円裁定取引平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅10.55←13.60円)
最大乖離幅17.15からは順調に縮小しているが、15円以上の乖離であればリスクも限定的なトレードになる。先週は13.60円の乖離幅から一気に10.55円と基準値まで接近しており、ポジション解消売買(豪ドル円買い/NZ円買い)も考慮。
9.30円→10.80→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→13.85→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05→15.40→13.90→14.05→13.60

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&263円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44
6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61
今月に入り円安基調が顕著に見られる。月初めにユーロ円誕生以来史上最高値である150.30+117.10=267.40を記録したが、今週も148.95+117.60=266.55円と円安圏で推移している。9月の推移267.40→265.15 
● 欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅72.20←69.90円』
先週は売りシグナル0.6795が点灯していたが、早くもポジション解消の買いシグナル0.6735が点灯、様子見に突入している。
過去の売買シグナル0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6924売り→0.6922売り→0.6748買いポジション解消→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続→0.6737買い様子見→0.6795売り

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.30←54.45円』
先週1.58前後の売りシグナルから、更に強めの売りシグナル1.5905が点灯している。
過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5702売り→1.5726売り→1.5751売り継続→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続→1.5796売り←。5808売り継続

ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離33.85←30.60円』
2.3264のこう着状態から、強い売りシグナル2.3615が点灯中。
過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い様子見→2.3388売り様子見→2.3447様子見→2.3264様子見

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新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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