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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

安倍首相苦渋の決断!吉と出るか凶と出るか?

NYダウ平均株価は一連の経済指標の改善や米企業の好決算を背景に、前日比40ドル高の17,687ドルへと過去最高値を更新しており、世界経済は米国の独り勝ちの様相を呈している。日米欧の緩和政策で膨らんだ流動性資金が株式市場にシフトされており、やや過熱感があるが、徐々にNYダウ18,000ドル達成が視野に入りつつある。

一方、安倍首相は消費税増税を1年半延期すると共に、衆議院解散を決定し国民の信を問うとしているが、デフレ懸念を払しょくさせるためには、現状の景気を冷やさずに消費を高める策を打ち出していると解釈できるが、市場は全般的に消費増税の先送りも含めて、解散選挙は過去のデーターからも株価の押し上げ要因になるとの見方があると同時に、米国株式市場に沿った格好で割安感のある日本株は刺激する可能性がある。来月の総選挙までは日経平均株価の更なる上昇期待が増す中、日経平均株価18,000円達成も時間の問題との見方が有力視されている。それ故に、株高を背景に円安基調が継続される可能性が高いだろう。ただ、費税増税の延期に関しては、海外勢からの批判を浴びているように、財政難を抱える日本経済にとっては痛手であり、安倍首相にとっては、苦渋の選択とも言える。そして、補正の規模は3兆円を目指すとしているが、円安によるエネルギー高に苦しむ中小企業の省エネ設備導入も後押しすると円安の副作用にも言及しており、ドル円120円は過剰期待と見なした方が無難かもしれない。本日は日銀決定会合後の黒田日銀総裁の発言に注目せざるを得ないが、更なる追加緩和策を模索する可能性が高まっているため、ドル円は引き続き底堅い展開が予想される。

他方、ユーロドルはドイツ及びユーロ圏の11月ZEW景気期待指数が、市場予想を大きく上回ったことから、ユーロの買い戻しが散見される中、1.25台を回復しているが、相対的にユーロ円の上昇やユーロショートの積み上がりに支えられた側面があり、依然として戻り売り志向は根強いものがある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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