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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

解散総選挙を視野に円売り加速!不安定な円安局面?

米国市場が休場のため、全般的に市場は閑散であるが、昨日報道された衆議院解散を背景に為替市場は円売り一色になっている。消費税を10%に引き上げに関しては、既に自公民の3党合意で結着しているが、来週月曜日に発表されるGDP(速報値)の結果で先送りか否かは判断される見通しである。表面的には、解散総選挙は国民の信を問うためと言われているが、2%の増税は財政難にある社会保障などに当てられるため、先送りが正解とは言えないのかもしれない。解散理由が選挙がらみともなれば、与党側にも不利に働く可能性があり、何のための解散と言われても不思議ではなく、不安定な円安局面に陥っている。

一方、連日の株高に加わり、俄かに報道された解散総選挙により、一部ではドル円120円説を唱えるなど、引き続き円安トレンドは払しょくできない相場環境であるが、反面、市場には過熱感と達成感を踏まえた利益確定売りが随時控えており、相場の難易度を一層高めており、当面、レンジ幅を拡大し、少なめの売買で対応することが一考であろう。

他方、ユーロドルはドイツ経済諮問委員会が独14年経済成長見通し従来の+1.9%から+1.2%へ修正する中、2015年経済成長見通しを+1.0%にするなど、特に買い材料は見当たらない中、急ピッチの円安の影響を受けて、底堅さを取り戻しつつあるが、今後、海外勢からは円安批判や消費税先送り批判が予想されるだけに、引き続きユーロの戻り売りを優先し、ユーロドル1.25台以上からのロングは自重することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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