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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

FOMCに過剰反応!ドルのリバウンド売りに注視?

FOMC声明では予定通りに量的緩和(QE)は終了し、終了後も相当期間は現在の低金利が適切としている。今回の決定でリーマンショック以降、FRBは4兆ドルほど資金投入を実施し、最終的には金融危機を未然に防いだ格好であり、それなりの評価は受けている。反面、世界経済全般には資産バブルを招いており、QE終了後の流動性資金の欠如が問題視されている。そして、利上げ時期に関しては、労働資源の活用不足は緩やかに減少しているが、雇用と物価の回復が早まれば利上げは予想より早く、遅ければ予想より遅くなると不透明感の残す内容になっている。前回の声明文からは大きな変化は見られていないものの、ドルの買い戻しが一層強まる中、ドル円は109円台に迫る展開を見せるなど底堅い展開が予想される。

一方、米国株式市場ではNYダウが先に17,000ドル台を回復したことから、相対的に利益確定売りに圧される格好で再び17,000ドル割れと伸び悩んでいるが、前日比31ドル安の小幅にとどまっており、引き続き堅調な株価動向が予想される。そして、日経平均株価には割安感を踏まえた反発買いも予想されるため、株高期待を背景に円売りに安堵感が広がりつつある。ただ、ドル円110円に対する警戒感は根強く、当面、過剰期待は禁物と言わざるを得ない。更なる上昇局面では、一旦清算入りと見なした方が無難であろう。

他方、ユーロドルはドルの買い戻しに圧されて下落基調を再び強めている。ユーロドル1.26割れともなれば、マーケットがユーロの戻り売りに傾斜している以上、遅かれ早かれ、年内にも1.25割れを危惧する声は少なくない。現状レベルからのロングは自重局面に差し掛かっている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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