ドル全面高に過熱感!リバウンドに注視?
先週末に発表された9月米雇用統計が予想を上回る改善を受けて、ドルが対主要通貨で全面高の展開になっている。非農業部門の雇用者数が24万8000人増と市場予想を上回る中、失業率は事前予想6.1%から5.9%と2008年7月以来の6%を下回る結果が好感されており、FRBが懸念していた雇用情勢の回復を受けて、市場では米早期利上げ期待が高まると共に、NYダウ平均株価は208ドル高と再度17,000ドル台を回復していることもドルの追い風になっている。
一方、内容的には労働参加率が62.7%と、1978年以来の低水準となり、相対的に職探しを断念した人が増えたことが失業率低下の要因になっている。また、賃金の伸びが鈍い状況が続いているため、失業率の数値のみでは楽観視できないとの見方も少なくなく、そして、米長期債利回りも上昇しているものの、10年債利回りは2.436%と低水準にあり、米利上げ時期が2015年半ば前後と言うシナリオには大きな変化は見られていない。また、世界情勢の不安定な動きがドル買いに弾みをつけている要因ではあるが、同時に、為替市場の原理原則である貿易不均衡是正の面では、ドル買いに過熱感が生じていることは否めない。
他方、為替相場はドル円が再び110円台目前まで上昇基調を強める中、ユーロドルは当面の節目である1.25割れ寸前まで急落、そして、ポンドもドル高の流れを受けて、1.6000割れへと、市場は様変わりの様相を呈しているが、市場は正念場を迎えつつあり、ドル円110円、ユーロドル1.25前後で一進一退の展開が予想されるだけに、当面は、ストップロスを配置しながら、少なめの売買で対応することが得策であろう。