ドル円110円が現実味!デフレ脱却までは円安容認?
市場全般は薄商いの中、ドル円は106円台後半へと6年ぶりの高値圏まで上昇を速めており、一部では110円へ向けてのワンステップとの見方が少なくない。世界経済の中で、日欧がデフレ対策を念頭とした金融緩和政策の持続性を求められる中、米国経済の回復が一段と鮮明になっており、米国債利回りが上昇も含めて、来年の早期利上げ観測がドルの買戻しを助長させている。
一方、米国にとっても、日本のデフレ脱却は米国経済の活性化に繋がるため、ある程度の円安を容認するのではないかとの希望的観測も浮上している。アベノミクス効果を持続するためには、デフレ脱却が命題となるが、同時に、消費税再引き上げのためには、円安と株高が必須条件なだけに、日本政府としても、経常収支の改善も含めた円安期待が増幅している。米国内からは、円を含めて、通貨安競争を批判する動きも出ており、一方的な円安局面にはなり難い側面があるが、相場環境が整えば、ドル円110円が現実味を帯びてくるだろう。
他方、ユーロドルはウクライナの停戦合意で地政学的リスクは減じているが、ユーロの買い材料はユーロショートの積み上がり以外には皆無に等しく、自律反発にも限界が垣間見られており、再び、戻り売り優勢の中、1.3000前後が重石になっている。ただ、急ピッチの下げ局面なだけに、当面、直近のレンジ幅1.2850~1.3000で待機策が賢明であろう。