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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

序盤はもみ合い相場!後半は波乱含み?

欧米がロシアへの制裁強化の姿勢を促す中、為替市場は逃避的なドル買いニーズが高まりつつある。NYダウ平均は123ドル安と再び17,000ドル割れ、そして、米10年債利回りも2.5%割れへと低下基調にあるにもかかわらず、 ドル円は一時102円台を試す動きも見られるなど、102円トライは時間の問題になりつつある。ただ、米株の伸び悩みに加えて、ドル円102円台以上では実需を含めて、オプション絡みの防衛売りが散見されているため、上値は限定的と言わざるを得ないだろう。

一方、ユーロドルは先週発表されたIFO景況感指数が弱い内容であったことが嫌気される中、ウクライナ情勢への懸念も含めて、特筆すべき買い材料は見当たらず、ユーロドル1.34台前半まで下落するなど、引き続き戻り売り優先の展開を強いられている。ただ、1.34割れではドル円102円台と同様に、利益確定やポジション調整買いが控えているだけに、同レベルからのショートは自重し、1.35前後からの戻り売りに専念することが賢明であろう。

他方、今週は、FOMCをはじめとして、米7月雇用統計などが週後半に控えているため、序盤戦は引き続きもみ合い相場が予想されるが、相対的には米経済回復期待を背景に、雇用助成の改善が見込まれるだけに、ドルの買戻しが優勢とみなした方が無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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