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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円高へのターニングポイント近し!

今週も円安が堅調に推移するか、それとも円高に向けてのターニングポイントなるか、微妙な段階である。すでにドル円117円台半ば以上では上値の重さが確認されている状況下でもあり、一方ではユーロドルにも高値警戒の壁があるように、全般的に欧州通貨の見極め時にもなる。当面は日米欧とも金利動向は現状維持であり、原油価格の落ち着きから判断しても、依然としてレンジ相場の様相からは抜け出せないだろう。 
今週は大きなイベントはないが、米地区連銀経済報告(ベージュブック)を基にして、再度9月20日におけるFOMC政策金利の話題が上がるにしても、状況的には再利上げがほぼ消滅している状態であるため、米ドル自体の上値の重さを感じる相場である。
先週は日本の7月鉱工業生産が前月比マイナス0.9%となり、長期金利の低下が示しているように円金利の先高観が後退しているが、今週の7日と8日に日銀金融政策決定会合において、日銀としても、折角ゼロ金利を解除し、金融政策の軌道修正を一日も早く成し遂げたい心境でもあり、次なる展開を維持するためには年内の再利上げの可能性を残したいのが本音であろう。 日本政府の利上げ慎重論は持続するが、日銀の独自性を固持したい局面でもあり、円高への足がかりになることも考慮すべきであろう。

▲ドル円の上値は限定的と思われるが、相対的な円安傾向は今週のシカゴIMM先物通貨(投機筋)においても顕著に見られる。円ショートが7万5千枚から8万8千枚と警戒水準を勇に越えている。枚数的にも先に史上最高を記録したユーロよりも枚数では上回っており、円高及びユーロ安の懸念が何時生じても不思議ではない。流れは完全に円安傾向であることは否めないが、新規に円ショートのポジションを膨らませる状況ではない。いずれにしても、金利格差からは円ショートの地合は否定できないが、常に円ショートの手仕舞い局面を想定したポジションの形成が好ましい段階ではある。

******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年9月03日(日) 週末の終値ベースで事前予測実施中
オンラインセミナー開催9月11日(月
米ドル安と円安が市場のコンセンサスではあるが、大局的には主要3大通貨のバランスが取れているとも言える。逆にユーロ高の懸念が見られる相場である。
US$チャート。No.7参照 新外為の森HP内
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.0950 現状乖離幅0.1138←0.1153)
乖離幅試算=ユーロドル1.2835−ユーロ円150.30(0.7791−0.6653=0.1138)
先週の売りシグナル117.25から大きな変化は見られず、今週も117.10で売りシグナルが点灯中。
ユーロ円高が一服すれば正常値に戻りやすい相場であり、先週に引き続きユーロ円150円台からの上値追いには要注意である。
過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1203(117.50売り)→0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.0969(113.95様子見)→0.1041(115.15売り)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い様子見)→0.1103(116.30様子見)→0.1064(115.80売り弱め)→0.1153(117.25売り)

ユーロドルドル円−ユーロ円)平均乖離幅27円 現状乖離幅33.20←32.30円)
先週の弱めの売りシグナル1.2755から、今週は通常の売りシグナル1.2835が点灯中。過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2644売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2653売り継続→1.2756売り継続→1.2875売り→1.2720売り弱め→1.2824売り→1.2755売り弱め

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅27.30←28.05円)
先週の弱めの売りシグナル0.7575から、今週は通常の売りシグナル0.7665が点灯中。
しかし、乖離幅としてはニュートラルでもあり、少なめの売りで対応したい。過去の週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売り様子見へ→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅40.45←42.55円)
先週の買いシグナル0.6371から乖離幅が縮小しており、チャート上からも売りシグナル0.6550でポジション解消レベル。
過去の週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い継続→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6337買い→0.6395買い→0.6371買い

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅11.10←11.50円)
先週は強い買いシグナル1.1088に移行したが、今週は更に強い買いシグナル1.1048が点灯中。
過去の週ごとの推移は下記のとおり。
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclosed→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248買い→1.1253買い継続→1.1088買い

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅11.10←13.25円)
ドル円117.10x2=234.20−ポンド円223.10=11.10円 
先週の1.8870の売りシグナルから更に強い売りシグナル1.9052が点灯中。
過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
30円→25→20→15→10円と半で押したような経過であったが、その後は13→16→13
→17→21→17→10←13円と乱高下している。
乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250 15円→1.86、10円→1.90レベル。

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅21.95←22.65円)
先週の買いシグナル1.2394から、今週も引き続き買いシグナル1.2307が点灯中である。
一部利益確定の売りも1.24台半ばでは考慮すべし。キャリートレードとしては安定した米ドル買いとSF売りが継続している。
週ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→
1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅13.15←14.05)
NZドルの盛り返しと共に最大乖離幅17.15からは急劇に縮小している。まだまだ縮小局面もあるが、少な目の金額で臨むことが前提条件である。できれば15円以上の乖離が安全思考である。オージ円売り/キュウイ円買いのスワップ手数も考えればリスクも限定的なレベルである。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
9.30円→10.80→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→
15.45→13.95→13.00→13.85→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→
16.05→15.40→13.90→14.05

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44
6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61
この数週間の円安基調を物語るように先々週は264.30、先週は266.80、そして今週はユーロ円誕生以来史上最高値である150.30+117.10=267.40を記録。
ユーロ円売り+ドル円売りでもリスクは限定的なレベルに達しているが、少なめの分散型投資であればリスクは限定的である。

欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅72.80←71.70円』
先週は様子見の売りシグナル0.6759であったが、チャート上ではポジション解消の買いシグナル0.6737点灯し、乖離幅は拡大しているが様子見に突入している。
過去の売買シグナル0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6924
売り→0.6922売り→0.6748買いポジション解消→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.15←54.95円』
乖離幅には変化がみられず、先週に引き続き今週も引き続き売りシグナル1.5796が点灯中
過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5702売り
→1.5726売り→1.5751売り継続→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続

ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離32.80←32.05円』
大きな変化はみられないが、先週の弱めの売りシグナル2.3388から、今週も弱めの売りシグナル2.3447が点灯しているが、基本的には様子見レベルである。
過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→
2.2735買い継続→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買
い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340
売り→2.3495売り→2.3200買い様子見→2.3388売り 

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新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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