株高&金利先高感でドルの買い戻し優勢!?
昨日発表された6月米ISM製造業景気指数は予想を下回るものの、尚も55.台を維持している。そして、新規受注に関する指数は58.9と、昨年12月以来半年ぶりの高水準であり、相対的に米経済への回復期待は高まりつつある。その中、米国株式市場ではNYダウ平均株価とS&P500が終値で最高値を更新、そして、米債券利回りも再び上昇過程にあるが、ドルは対主要通貨で軟調に推移するなど、市場は明日に控えている6月米雇用統計を見極めたいとの動きが優先されている。
一方、ドル円は米株高や金利先高感にも関わらず反応薄であり、依然として101円台半ば後でもみ合い相場と化している。一部では、昨日、日本政府は賛否両論がある中、集団的自衛権を懸念した動きもあるが、相場への影響は限定的であり、株高と金利差拡大を背景にして、相対的には円売りに安堵感が生じており、過度な円高期待は自重局面に差し掛かっていると言わざるを得ないだろう。
他方、ユーロドルは明日のECB理事会を控えて警戒ムードが広がる中、ストップロスを巻き込みながら、瞬間的に1.37台を回復したが、同レベルではポジション解消売りが散見されるなど、上値の重さが再認識されている。ECBが前月に続き追加緩和策を打ち出すのとの懸念もあるが、ここ最近の上昇がユーロショートの調整やドル安に起因していただけに、短期筋としても1.37台からのロングに一層警戒感を強めており、引き続き戻り売り優先の展開を強いられている。その他では、中国の製造業景況指数の改善を受けて、豪ドルは昨年11月以来の0.95ドル台を回復するなど底堅いになっているが、反面過熱感を踏まえた売りが控えており、同レベルからのロングは自重局面にある。