リスク回避の円買い強まるも一過性!?
昨日発表された米小売売上高や新規失業保険申請件数などが弱い内容となったほか、イラク情勢の悪化で原油相場が8カ月ぶりの高値を付けたことが嫌気される中、NYダウ平均株価は高値警戒感を踏まえた調整売りに圧される格好で前日比109ドル安となり、また、リスク回避の動きを背景に米10年債利回りが再び2.6%割れへと低下したことからドルの調整売りが優勢になっている。
一方、ドル円は軟調な米株価や米国債利回りの低下、そして、地政学的にリスクを背景にが下げ幅を拡大、101円台半ば近辺まで下げ基調を強めている。本日は日銀金融政策決定会合が控えているが、現行の量的及び質的金融緩和策を継続する可能性が高く、特に追加緩和策が発表されることはないだろうが、市場全般が緊迫するイラク情勢やウクライナの地政学リスクの観点から、相対的に安全資産の円買いに傾斜している以上、デフレ脱却を掲げている黒田日銀総裁の記者会見が注目されている。何らかの株価及び為替相場のサポート材料を打ち出すとの期待感もあるが、ここはドル円101.50〜102.50円のレンジ幅で待機策が一考かもしれない。
他方、ユーロドルはドル売り優勢の中、一応1.35割れは回避されているが、依然として、戻り売り圧力は強く、上値は限定的になっている。ユーロドル1.3500〜1.3600レンジ幅を駆使して臨むしか妙味はないだろう。