株高・金利格差拡大!ドル買い優勢?
注目された5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比21万7000人増、失業率は前回から横ばいの6.3%。と市場の予想範囲内にとどまり、為替相場全般では売り買いが交錯したものの、ドル円は102円台半ばで底堅い動きを取り戻しつつある。
一方、NYダウが最高値を更新する中、懸念された米10年債利回りも2.5%台を維持しており、総じて、米経済は悪天候の影響から脱しつつあることが改めて意識されている。米経済の回復期待が増す中、NYダウは88ドル高の16,924ドルと最高値を更新中であり、相対的にドル買いニーズは根強いものがある。
他方、ユーロドルは先のECB理事会において、実体経済への融資を促すため中銀預金のマイナス金利を導入、決定後は損失確定売りが加速したものの、流石にユーロドル1.35割れを見るまでには至らず、落ち着きを取り戻している。ただ、依然として、1.37台の上値の重さが意識されている。ECB関係筋からは追加の金融緩和策に関する発言が相次いでいるが、クーレECB理事は非常に長期間、数年にわたってユーロ圏の金融情勢が米国、英国と異なることは明らかだとし、極めて長期間、金利をゼロ近くに維持し、米英は利上げ局面に入るだろうと指摘、その他の見解も概ねECBの措置は需要を支え、インフレ押し上げに寄与する旨を表明している。一時懸念された欧州銀行間取引金利がマイナスになることは回避されたこともあり、積極的なユーロ売りを仕掛けづらい状況ではあるが、依然として、株高と米金利格差を背景としたドル買いニーズが健在であり、ユーロの戻り売りが優勢になっている。