ドル買戻し優勢!ドル円103円&ユーロドル1.35に向けて再始動?
週末に米雇用統計の発表を控える中、市場は昨日発表された米5月ISM製造業景況指数の再三の修正に振り回された感があるが、相対的に米経済の回復基調が強まる中、NYダウ平均株価が連日のように史上最高値を更新中であり、また、低下傾向にあった米債券利回りも上昇に転じたことから、総じて、ドルを買い戻す動きが優勢になっている。
一方、ドル円は割安感のある株高期待や米金利差との拡大などを背景に、ドル円102円台半ば近辺まで上昇しているが、102円台半ば以上では、相変わらず実需や利益確定売りが散見されており、正念場を迎えつつある。ただ、シカゴ市場で日経平均先物が15,000円台を回復しており、遅かれ早かれ、ドル円103円台に向けて再始動する可能性が高まっている。
他方、ユーロ圏ではECB理事会を控えて、ユーロドルは利下げ観測を背景に1.3600前後で試行錯誤が続いているが、昨日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁はインフレに対する需要と供給の影響が混在しており、日本のようなデフレが警戒されるとした上、デフレを食い止めることは難しいと述べている。そして、今週の理事会では為替レートにも注意を払っていなければならないとした上、中銀預金のマイナス金利が協議される見通しに関しても言及しており、ユーロの戻りはかなり鈍くなっていると言わざるを得ない。今回のECB理事会でマイナス金利導入の可能性は少ないものの、仮に導入されれば、ユーロドル1.35トライが現実味を帯びざるを得ないだろう。