材料難否めず、一進一退の展開継続!?
NYダウ平均株価が最高値を更新する中、米経済の回復期待は高まっているが、ECBが来週の理事会で利下げを実施する可能性が高まっている関係上、米国債利回りが低下傾向を示すなど、相対的にドルを買い戻す動きはやや鈍くなり出している。ただ、ECB理事会での追加緩和の実施が織り込まれる中、ユーロドルは1.37台が重石になっている。ただ、1.36割れでは機関投資家の買戻しや利益確定買いが散見されるなど、ユーロドルは1.36台半ば前後で一進一退の展開を余儀なくされている。
一方、日経平均株価は4日続伸し、約1カ月ぶりの高値水準となる14,700円台を回復しているが、ここ最近の上昇がNYダウの上昇に助けられて側面が多々あり、15,000円台を回復するには時期尚早との見方が少なくない。いずれにしても、更なる株価上昇には円安の後押しが必要であるが、アベノミクス効果が脆弱性を帯びる中、欧州経済や中国を含めた新興国などの懸念、そして、地政学的リスクなどを考慮すれば、安全通貨である円買いニーズは根強いものがあり、過度な円安期待は後退している。
他方、本日、黒田日銀総裁が講演を行う予定であるが、先の報道で同総裁は経済成長力強化に向け迅速な改革を実施する旨を強調する中、日米の経済のパフォーマンス格差から円高になる理由はないと言及しており、今回も円相場サポートするとの思惑から、円買い積極的に仕掛ける相場環境ではなく、当面、ドル円は101.50〜102.50円のレンジ幅で注視せざるを得ないだろう。