堅調な株高を背景に円売り志向回復!?
NYダウ平均株価が112ドル高と史上最高値を更新する中、米国債利回りが上昇に転じたことが好感され、ドルを買い戻す動きが強まりつつある。その中、ドル円は102円台を回復するなど底堅さを取り戻している。ただ、ドル円102円台半ば前後では引き続きポジション調整や実需売りが控えており、一方的に円売りが加速する状況とは言えないが、市場心理としては、米経済への回復期待を踏まえて、相対的に市場に安堵感が広がっており、出遅れ感のある日経平均株価への期待感を背景に、再度円売り志向が強まる可能性があるため、当面、ドル円102円割れからのショートは禁物であろう。
一方、ユーロドルはウクライナ情勢の不透明感が重石となる中、先週のドラギECB総裁の利下げ観測やユーロ高けん制発言以降、下げ基調を強めているが、反面、ユーロの戻り売りも一服した感があり、ユーロドル1.37前後からは値ごろ感の買いが随所に散見されるなど、ユーロドル1.37前後からのショートは自重局面を迎えている。
他方、ウクライナ東部で独立の是非を問う住民投票が行われ、ドネツク州では賛成票が9割近くに達するなどロシアへの編入要請に向けて一段と加速している。ただ、米欧やウクライナ暫定政権の批は投票に法律的根拠はない旨が指摘している関係上、ロシア側が編入要請に慎重姿勢を示す可能性から、ウクライナ情勢の混乱は長期化の様相を呈している。総じて、地政学的リスクとしては小規模と言わざるを得ないが、当面、一過性の動きに注視して臨むしかないだろう。