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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株価自律反発も米金利低下でドル円の反発は限定的!?


NYダウ平均株価の上昇を手掛かりに、本日の日経平均株価の自律反発が予想されており、ドル円は底堅い展開が予想される。ただ、米長期金利との相関性が高まる中、米10年債利回りが低下傾向を示しており、上値も限定的と言わざるを得ない。その中、昨日のイエレンFRB議長は労働市場の状況は改善が続いているが、満足にはほど遠く、失業率は依然として高止まりしている旨を指摘している。そして、今年の経済活動は昨年よりやや速いペースで拡大と予想するが、住宅市場指標は失望するような状況続きで注視必要としている。また、質疑応答では、QE縮小は労働市場の改善続く限り継続、利上げ時期に関してもQE終了後、金利正常化にかなりの時間がかかるとし、利上げ時期に関する法則も日程もないとしており、市場の反応は限定的に留まっている。

一方、ユーロドルは本日のECB理事会を控えて、狭いレンジ内で終始している。ここ最近の急ピッチの上昇を嫌気される中、利益確定売りやポジション調整売りに圧されてやや伸び悩んでいるが、今回のECBでは追加緩和を実施される可能性は少なく、次回以降に持ち越される公算が高いため、下値も限定的になっている。ただ、ドラギECB総裁が利下げおよび追加緩和策を示唆する可能性を匂わす事態ともなれば、目先のユーロドル1.4000前後の上値の重さが再認識される可能性が高いため、基本的にはユーロの戻り売りが優先しやすい状況には変わりがない。

他方、ウクライナ情勢は依然として、緊迫度を増しているが、国際的にはロシアの軍事介入からウクライナ暫定政権の武力行使に批判が高まっており、欧米側としても、ロシアに対する追加制裁措置にも限界が生じ始めている。総じて、市場が危惧している地政学的によるリスク回避のドル買い並びに円買い志向に脆弱性があり、過度な円高期待への警戒感も強まりつつある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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