ドル円102円前後で微調整!次なる材料探しの場?
注目されたFOMC議事録は、ほぼ全員が利上げ基準見直しには同意しているが、先のFOMCにおいて、イエレンFRB議長が言及していた量的緩和終了の6ヵ月後の利上げに関しては言及されておらず、FOMC議事要旨が想定されていたほどタカ派的ではなかったことを受けて、FRBの早期の利上げ観測がやや後退する中、市場はドル売りに傾斜している。
一方、NYダウ平均株価は米利上げ時期が後退したことから、反発に転じている。FOMC声明文では失業率の改善やインフレの2%回帰など、相対的にファンダメンタルズについては、米経済への回復期待は根強いとの見方が優勢であり、ドルを積極的に売り下がる相場環境には至ってはいない。その中、ドル円は実需や調整売買に挟まれて102円前後で方向感を見出せない状況にある。日本株の反発が予想され下値は限定的であるが、当面、101.50〜102.50のレンジ幅を重視し、同レベルからナンピン売買で模索しか妙味はないだろう。
他方、ユーロドルは米金利の低下を背景に底堅さを取り戻しつつある。その中、ユーロ危機を発したギリシャやスペインなどの債券利回りが低下傾向を示すなど、欧米金利差の縮小を好感し、ユーロを買い戻す動きが強まっている。ただ、米国債利回りの低下は限定的であると、同時に負債国の金利低下はEUの支援対策によるところが大きいため、更に金利差が縮小する状況ではない。むしろ、ウクライナ情勢の緊迫化や原油価格の上昇懸念が広がっており、一過性のユーロ買いに終わるとみなした方が無難であり、現状レベルからのロングは自重することが一考であろう。