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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ウクライナ情勢一旦小休止!円売りに安堵感?

注目されたイエレンFRB議長の講演において、米経済はFRBの目標から依然としてかなり遠く、達成には時間要する。当面は米景気てこ入れのための資産買い入れと低金利が続く公算が大きい旨を述べている。その中、失業率改善は緩やかだが、ことのほか着実年ながらも、経済、労働市場が正常化していないことも疑いの余地はない。また、構造的失業にFRBの雇用創出努力はあまり効果的ではなく、並々ならぬ取り組みが必要であるとも述べている。緩和縮小はこの取り組みを崩しほどではないが、多くの国民は依然リセッションと感じていると慎重な姿勢を示している。相対的に早期利上げはトーンダウンしている嫌いは否めず、今週末の米雇用時計の数値への期待が弱まりつつあるため、ドルの買戻しは限定的になっている。

一方、ロシア国防省はウクライナとの国境地帯に展開していた部隊の一部が演習を終え、撤収を開始したと発表している。先の米ロの電話会談に続き、昨日は独ロ首脳電話会談も行われており、プーチン大統領はメルケル独首相に、ウクライナとの国境地帯で展開していた軍部隊の一部を撤収すると伝えている。ウクライナ情勢の沈静化に向けてやや期待感が増す中、ユーロドルは買戻しが優勢となり、一時1.38台まで上昇したが、その後はポジション解消売りに圧された格好で上値の重さが再認識されている。ただ、円売りにサポートされている側面も多々あり、下値も限定的になっている。当面1.3700〜1.3850程度のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。

他方、ドル円は特筆すべき材料はないものの、NYダウ平均株価の堅調な推移や米債券利回りの高止まりなどもあり、103円台で底堅い展開を見せ始めている。ただ、ドル円103円台半ば前後では、相変わらず実需や利益確定瓜が散見されており、加速的な上昇局面にはなりにくく、102.50〜104.00円のレンジ幅で売買を模索することが得策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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