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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ウクライナ情勢長期化!米欧露の対立姿勢深まる?

注目のウクライナ情勢に関しては、米欧が協議を重ねる中、オバマ大統領はロシアが行動を継続するならば、ロシア自体の孤立を一層深かめることになり、制裁措置も拡大されるだろうなど指摘している。また、同大統領はロシアへの制裁措置の一貫として、ドイツを筆頭に欧州圏において、ロシアに依存している天然ガスの代行として、米国のシェールガスの欧州への輸出なども検討する旨を提案するなど、ロシアに対する包囲網が更に強化されるとの見通しが強まっている。ただ、ロシア側としては、一歩も引かずに米欧との対立姿勢を更に強める可能性が強く、ウクライナ情勢の長期化が懸念され始めている。

一方、ドル円は地政学的リスクが増大する中、NYダウが98ドル安と伸び悩むと共に、米長期利回りの低下が重なり、相対的なリスク回避による円買いニーズは根強く、ドル円は一時102円割れへと警戒感を強めている。その中、同レベルでは随所に利食いと実需買いが散見されるなど、ドル円102円前後で神経質な展開を余儀なくされている。

他方、ユーロドルは特に買い材料のない中、1.38台では戻り売りが優先されている。一部報道によれば、米国の悪天候による米経済指標は今後改善方向を示すとの見方も浮上しており、積極的にユーロドルを買い戻す機運は希薄になっている。ただ、ユーロドル1.37台半ば前後では、ドル円と同様に利食いとポジション調整買いが散見されており、過度なユーロ安期待は自重することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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