売買材料多様化!次なる材料待ち?
ドラギECB総裁が講演で必要なら更に行動をする用意と述べる中、バイトマン独連銀総裁はユーロ高抑制に向けた対応で中銀預金金利のマイナスへの引き下げがひとつの手段となり得ると指摘、また、スロバキア中銀総裁がユーロは年内に下落する可能性があるとの認識を示す中、ECBはデフレ状況を回避するため、追加の非標準措置を用意していると述べたことに反応し、ユーロドルは一時売りが優勢となり、一時1.37台半ば近辺まで下落する場面が生じたが、内容自体には新鮮味がなく、ユーロ売りが一巡後には、再度1.38台まで急速に買い戻されており、逆に1.38前後の底堅さが意識されている。
一方、ドル円はウクライナ情勢を背景に円買いニーズは根強いものがあるが、円への影響は限定的との見方もあり、ドル円は102円台前半で更に膠着度を強めている。そして、現時点では102円割れでは利益確定や実買いが散見されている反面、102台半ば以上でも同様なポジション調整売りが随時散見されるなど、次なる材料待ちの段階と言わざるを得ないだろう。
他方、2月の新築住宅販売件数は寒波の影響もあり弱い内容となったものの、消費者信頼感指数は2008年以来の高水準に改善している。強弱まちまちの結果ではあるが、悪天候による影響は下火になっているとの見方も少なくなく、短期筋はドルショートを改善する方向にある。また、相次ぐ米要人発言を背景に早期の米利上げ観測も浮上しているものの、概ね金利引き上げは来春以降に持ち越される公算が高いため、現時点ではドルを積極的に買い戻す動きは鈍くなっている。当面、投資家心理としては、ウクライナ情勢の成り行きが明らかにされるまでは積極的にポジションをどちらにも傾けづらい状況にあるため、直近のレンジ幅で対応するしか妙策はないだろう。