揺れるウクライナ情勢!米欧制裁措置探しの場!?
注目されているウクライナ情勢に関するクリミア住民投票は圧倒的多数でウクライナからの離脱とロシア編入方針が決定される中、ロシアのプーチン大統領はクリミアを国家として承認する大統領令に署名する旨が伝えられている。その中、米欧側の制裁措置として、クリミア侵攻に関与したロシア当局者の資産凍結.や渡航禁止などが発表されたが、いずれも想定内の範囲なだけに、市場の反応は限定的になっている。
一方、オバマ米大統領はウクライナの未来は自国民によって決められるべきであり、プーチン大統領に対してクリミア住民投票は違憲だと述べた上、ロシアに対する制裁の範囲を拡大し、米国は更なる制裁へ準備していると述べているが、中国経済の減速懸念も踏まえて、今後の制裁措置次第で世界経済の混乱を招きかねない事態も想定しなければならず、当面、米欧露の水面下での協議が続けられるとの見通しが優勢になっている。それ故に、市場全般はリスク回避の動きが弱まる中、ロシア株が反発すると同時に、NYダウは181ドル高、そして、米10年債利回りが2.7%近辺まで回復している関係上、ドル円は底堅さを取り戻しつつある。
他方、ロシアのプーチン大統領がクリミア半島のロシア編入について、今晩にも演説する予定であり、その内容に関心が集まっている。今回、ロシアに対する制裁措置が控えめであることから、過激発言は控えられる可能性は高いであろうが、仮に軍事衝突も辞さないとの考えが浮上すれば、再びリスク回避の動きが強まる可能性も視野に入れる必要がある。ただ、市場には、悪天候による米経済指標の一連の悪化現象が4〜5月に向けて大幅に改善するとの見通しもあり、ドルショートは自重局面に差し掛かっている。