米欧の制裁措置待ち!波乱含みの展開?
ウクライナのクリミア自治共和国がロシア帰属を巡っては住民投票の結果を待つまでもなく、ロシア側に帰属することは確実視されている。市場は、米欧とロシアにおける今後の成り行きを見極めたいとの思惑から、様子見モードが広がっている。その中、相対的なリスク回避の動きを背景に円買いが優先されており、ドル円は101円台前半で試行錯誤が続いている。当面、ドル円100円割れになるなどの相場環境にはないが、ただ、ロシアの軍事介入が現実味を帯びるようなことにでもなれば、相場への影響は計り知れないだけに、当面、ドル円ロングは自重することが一考であろう。
一方、ロシアのラブロフ外務相がロシアはウクライナを巡って西側と依然対立があるが、クリミアでの住民投票の結果を尊重するとした上、ロシアはウクライナ東部に介入する予定はないとしている。反面、ケリー米国務長官は米国と国際社会はクリミアでの住民投票の結果を承認しないとしたほか、国境付近でのロシア軍の展開を懸念しており、ロシアは方針を変更しないと報いを受けると警告しているように、クリミア半島を巡る問題がある程度解消しない限りは、ドル円の反発は限定的であろう。
他方、先に米国と欧州連合(EU)は住民投票が予定通りに16日に実施されれば、本日17日にも一連の重大な措置を発動させると表明している。ただ、ロシア側を震撼させるほどの制裁措置を講じるかは甚だ懐疑的であり、市場は今後の成り行きを見極めるしかなく、ポジション調整に重点を置きながら、少な目の売買で対応することが賢明であろう。