リスク回避の動き一服!一進一退の展開?
日米欧の主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)の首脳は、ロシアに対し、ウクライナ南部クリミア半島の編入に向けた取り組みの停止を求める共同声明を発表。クリミア自治共和国が16日に予定するロシア編入の住民投票は、法的根拠がないとした上、結果を承認しない旨を強調している。そして、ロシアがクリミアを編入すれば追加的な制裁を発動すると警告、当面、資産凍結やG8会合の準備は保留などの制裁が予定されているが、どの程度の効果があるかは定かではなく、ウクライナ情勢の長期化が危惧されている。また、オバマ米大統領はウクライナのヤツェニュク首相と会談し、ウクライナ南部クリミアのロシア編入の住民投票を完全に拒否すると述べる中、プーチン大統領が手を引かなければロシアは侵略の代償を強いられると警鐘を鳴らしているが、いずれにしても、ロシア側の出方次第であることは間違いなく、相場全般は緊迫度を増す中、様子見モード一色の感は否めない。
一方、ドル円は株価の急落も含めて、ウクライナ情勢や中国の景気減速懸念を背景に、相対的に上値の重い展開を余儀なくされている。ただ、昨日のNYダウが小幅な下落にとどまっており、米経済への回復期待を背景にリスク回避の円買いは一服状態にあり、下値も限定的になっており、ドル円は103円台の上値の重さを意識しながら、狭いレンジ幅での攻防が余儀なくされている。
他方、ユーロドルは堅調に推移する中、直近の高値圏1.39台を回復している。ショイブレ独財務相がユーロ圏にデフレの兆しはなく、金利は中期的に非常に低水準であるとの見方を示したことなどが主な買い材料ではあるが、反面、他のECBメンバーからは引き続き追加緩和に前向きな姿勢が示されており、また、スペイン中銀総裁からはユーロ高をけん制する発言もあり、やや過剰反応のユーロ高との声も少なくなく、当面、ユーロドル1.39台半ば前後からユーロドルショートに妙味が生じている。