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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

リスク管理の強化とIMM重視のトレードも検討すべし!

早朝の停電もおさまったようですが、人それぞれパニックの内容も異なる。私はレポート作成中の出来事で配信不能状態、奥様族は冷蔵庫の中身を心配、交通機関も信号機も停止しとなると、人間のできることには限界を感じます。停電が発生した瞬間、ブレーカーに直行するが問題ない。東京電力の電話もつながらない。電気料金未納かと我自身を疑う。小一時間で解決したとは言いながらも、文明の利器にばかりに頼っていると、いざとなると何も出来ない。為替相場も情報端末とテクニカル分析がなければ売買も出来ない状態は避けたいですね。パニックにならない為には日ごろからのリスク管理を強化しましょう。

●今週はテロ警戒騒ぎが収まらない中での為替相場となるが、先週の米金利の打ち止めを裏付ける米経済指標の確認の週でもある。また、僅かながらも利上げの可能性を残しながらのFOMCの決定事項ではあるが、FRB当局としても、今回の利上げ打ち止めが、ソフトランディングの第一歩でもあり、同時に、米ドル離れ阻止の一貫でもあるが、原油価格の高騰を横目にしながらの判断であるだけに、再度利上げ余地を残した選択が優先されたと判断するのが順当であろう。
しかしながら、景況感という観点からは、原油価格がリードするインフレ懸念を払拭させる利上げでは、逆に景気減速にも繋がるだけに、各金融当局が多くの難題に直面している状況である。今回米金利の利上げを踏み止まったように、日欧の利上げも足踏み状態になることも考慮しなければならず、米金利の格差が一気に縮小すると見るのは時期尚早であろう。日本のみならず、原油価格によるインフレ懸念が他国にも浸透しており、今後も、事が生じるごとに金利動向に注目せねばならないが、利上げイコール通貨高にならないシナリオも想定し、利上げ後のリスキーな展開も考慮しなければならない。当面は米金利のテーマから新たな始動となる相場であり、今後は米経済の減速がひとつののテーマとして捉えるべきであるが、地政学的リスクと原油価格がワンセットになる可能性も多分にある。また、米中間選挙との兼ね合いもあることから、単発的な情報や要人発言に惑われないようなポジション管理が要求される。いずれにしても、容易な相場でなく、ポジションの調整と見直しに専念したトレードが先決であろう。

▲通常ならばシカゴIMM先物通貨(投機筋)の動きも参考程度に取り入れるべきであるが、余りにも偏りすぎたポジションが見られ、現実に過度なロング及びショートポジションにも素直にマ−ケットが反応しているだけに、先週のIMMポジションの動向が懸念される相場である。円に関しては先々週の警戒レベル7万6千枚のショートから、想定内の5万枚レベルまで縮小しており、ドル円117円前後の上値の重さを感じさせる相場である。しかし、今回はユーロドルのロングが9万2千枚と異常とも思えるほど膨らんでおり、テロ警戒レベルではないが、それに匹敵するほどの警戒網が必要である。今後のユーロドルの手仕舞い売りが懸念される相場である。すでに1.27台まで売られているが、更なる下落も視野に入れてトレードに徹することが賢明であろう。

*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年8月13日(日) 週末の終値ベースで事前予測実施中
▲US$が次第にニュートラルレベルに接近中。米ドルの方向感が乏しい状況へ
US$強弱参照チャート  
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.0950 現状乖離幅0.0982→0.1103
乖離幅試算=ユーロドル1.2720−ユーロ円147.95(0.7862−0.6759=0.1103 先週114円台半ばの弱めの売りシグナルから、通常の売りシグナル116.30円が点灯している。過去の週間毎の乖離幅は以下の通り。
0.1203(117.50売り)→0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.0969(113.95様子見)→0.1041(115.15売り)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0999(114.62売り弱め)→0.0982(114.45売り様子見レベル)
ドル円チャート
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅32.90→31.65円)
先週は強めの売りシグナル1.2875が点灯していたが、早くも今週は1.2720レベルにまで急落しているが、依然として、同レベル1.2720で売りシグナルが点灯中である。少なめの売りから再スタート。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2644売り→1.2510買い戻し→1.2810売り→1.2653売り継続→1.2756売り継続→1.2875売り。
ユーロドルチャート
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅26.85→27.20円)
先週の0.7654の売りが継続中であり、今週もほぼ同じレベル0.7661で売りシグナルが点灯中である。過去の週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売り様子見へ→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7654売り継続
AUDチャート
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅42.90→42.60円)
先週からの動きは見られず、依然として買いシグナルが0.6337で点灯中。週ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い継続→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い
NZDチャート
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅12.95→12.90)
乖離幅には大きな変化が見られず、様子見が優先されるが、弱い買いシグナルが1.1248で点灯している。過去の週ごとの推移は下記のとおり。
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclosed→1.1318様子見→1.1276様子見
CANドルチャート
ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅10.55→12.80円)
ドル円116.30x2=232.60−219.80=12.80円 1.8899売りシグナル点灯中
先週の強い売りシグナル1.9078から調整売りが進行している。荒っぽい展開が継続中。
過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
30円→25→20→15→10円と半で押したような経過であったが、その後は13→16→13→17→21→17→10円と乱高下している。
乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250 15円→1.86、そして10円→1.90レベル。
GBPチャート
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅20.90→22.50円)
中立通貨を背景にして、根強い買いが続いているが、先週の買いシグナル1.2234に引き続き、今週も1.2432で買いシグナルが点灯しているが、一部利益確定の売りでポジション縮小も一考である。週ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2487一部売り利益確定
CHFチャート
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅16.05→15.40
最大乖離幅から順調に縮小傾向にある。基本的には少なめのスタートならば、リスクは限定的的なレベルに達しており、豪ドル売り・NZ円買いを勧める。
過去数週間の推移は以下の通り。
9.30円→10.80→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→13.85→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05
オセアニア通貨裁定チャート
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月平均262.43円 今週は147.95+116.30=264.25 円安最高レベルに到達。ユーロ円売り+ドル円売りでもリスクは限定的なレベルに達している。

欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅71.00→71.85円』
0.69台の売りが継続していたが、先週の0.6748の買いでポジション解消の運びとなったが、今週は乖離幅が拡大したが、チャート上では0.6731で様子見レベル。過去の売りシグナル0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922売り、先週0.6748の買いでポジション解消。
EUROGBPユーロポンドチャート
ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅53.80→54.40円』
1.5815で強めの売りシグナルが点灯中、過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5621売り→1.5702売り→1.5726売り→1.5751売り
EUROCHFユーロスイスチャート
ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離31.25→32.70円』
乖離幅拡大により、先週は模様眺めから売りシグナルが2.3340で点灯していたが、今週は更に強めの売りシグナルが2.3495で点灯中。過去の推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→2.2735買い継続→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340様子見 
GBPCHFポンドスイスチャート
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新外為の森 参照★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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